アメリカで筆記体はどのくらい使われているのか
アメリカ人のうち、筆記体で書く人の割合はどのくらい?
New York Timesの2013年のこちらの記事によると、アメリカ人のおよそ3分の1強(37%)の人は筆記体で書いています。
実は人口の半数以上の多数派は、筆記体とブロック体を混ぜた、下のような書き方で書いています。
元々英語圏では、履歴書を含め正式な文書はタイプライター/PCでプリントアウトし、手書きで書く習慣はありません。また、インターネットサービスの利便性が年々飛躍的に上昇しているので、現在は筆記体で書く人の割合はより少なくなっている可能性が高いと思います。
アメリカ人のうち、手書きでメモを書く人の割合はどのくらい?
2000人の米ミレニアル世代を対象にした調査(詳しくはNew York Postのこちらの記事)によると、
- 調査対象者の3分の1(33%)は、1年以上、手書きのメモを誰からも受け取っていない
- 対象者の15%は、そもそも5年以上、手書きのメモを書いていない
- 対象者の3%は、人生で一度も、誰かに手書きで書いたことがない
と報告しています。
ミレニアル世代は1980年代序盤から1990年代中盤までに生まれた人のことを一般的に指すので、それ以後に生まれた世代(Generation Z)は、さらに手書きをする人の割合が少ないはずです。
アメリカ人は、学校で筆記体を習わないの?
2010年に定められた、アメリカの幼稚園から高校までの学校教育のガイドライン「Common Core State Standards」によると、アメリカの学校教育では、筆記体を教える必要はありません。
以前は筆記体を学ぶことは教育課程に入っていたのですが、コンピュータ使用が増えてきたために変更されたました。
しかし、Reutersのこちらの記事によると、アメリカの州の中には、引き続き筆記体を教えているところがあります。例えば、
- テキサス州では、2019-2020学年度から、すべてのテキサス地区の小学校のカリキュラムに筆記体が追加
- テネシー州では、2014年に可決された法案により、2年生から4年生まで筆記体が必修科目に
- 2019年までに、アラバマ、ルイジアナ、アーカンソー、バージニア、カリフォルニア、フロリダ、ノースカロライナ州で、筆記体が必修科目に
なりました。
イギリスで筆記体はどのくらい使われているのか
イギリス人のうち、手書きでメモを書く人の割合はどのくらい?
2012年に行われた2000人の英国の成人を対象にした調査(詳しくはBBCのこちらの記事)によると、調査対象者が何かを手で書いたのは平均41日前で、そのうち3分の2は買い物リストのような短いメモしか書いていません。
日常的にちょっとしたことを忘れないようにメモすることはよくあることだと思うので、イギリス人で習慣的に手書きでメモを書く人はほとんどいないと言えると思います。
イギリス人は、学校で筆記体を習わないの?
イギリスの小中学校の教育基準を定める「National Curriculum」(詳しくはこちら)では、法定要件としては、イギリスの学校教育で筆記体を教える必要はありません。
しかし、要件ではなくガイドラインとしては、小学校2年生で、
正しい向きでしっかりと文字を書けるようになったらすぐに、筆記体で書くように教えるべき
とされています。
イギリス人のうち、筆記体で書く人の割合はどのくらい?
イギリスでは現在でも、学校で筆記体を教えることが推奨されているので、アメリカ人よりはイギリス人の方が筆記体で書く人の割合が多いと思います。
しかしいずれにせよ、ほとんど手書きでメモを取る人はいないため、実際は筆記体はあまり使われていないと思います。