イギリス英語とアメリカ英語って、発音以外に何が違うのかな?
とお思いの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
イギリス英語とアメリカ英語とアメリカ英語の違いは、
- 発音、アクセント、イントネーションなど、話すことに関すること
- 慣用表現
- スペル
- 単語の使い方
- 文法
- 数字に関する表現
など、様々な違いがあります。
そこでこの記事では、発音・慣用表現以外の、
- スペル、単語、文法、数字に関する表現の違い
について、それぞれシェアしたいと思います。
スペル
イギリス英語とアメリカ英語では、スペルに違いがあります。イギリスからアメリカに渡った後の英語のスペルが、簡略化しています。
以下、最初にイギリス英語、次にアメリカ英語の順に、具体例とともにご紹介します。
ラテン語から派生した単語
-our/ -or
「-our」で終わるイギリス英語のうち、そこにアクセントのないものは、アメリカ英語では「-or」になります。
イギリス英語 | アメリカ英語 |
colour | color |
flavour | flavor |
labour | labor |
-re/ -er
ラテン語(含むフランス語)とギリシャ語から派生した-reで終わるイギリス英語のうち、そこにアクセントのないものは、アメリカ英語では-erになります。
イギリス英語 | アメリカ英語 |
centre | center |
theatre | theater |
litre | liter |
-ce/ -se
イギリス英語では動詞が-seで終わり、名詞が-ceで終わる単語が、アメリカ英語では動詞・名詞ともに-seになるものがあります。
イギリス英語(名詞) | アメリカ英語(名詞) |
defence | defense |
licence | license |
※advise(動詞)/ advice(名詞)、devise(動詞)/ device(名詞)は、アメリカ英語・イギリス英語とも、動詞と名詞が違う形になります。
※アメリカ英語では、動詞・名詞ともpracticeですが、イギリス英語ではpractise(動詞)/ practice(名詞)になります。
-que/ -ck (-k)
この変化のものは、以下の例以外、あまりありません。
イギリス英語 | アメリカ英語 |
banque | bank |
cheque | check |
ギリシャ語から派生した単語
-ogue/ -og
イギリス英語では-logueで終わる単語が、アメリカ英語では-logになります。
イギリス英語 | アメリカ英語 |
analogue | analog |
catalogue | catalog |
dialogue | dialog |
-se/ -ze
イギリス英語では-yse/ -iseで終わる単語が、アメリカ英語では-yze/ -izeになります。
イギリス英語 | アメリカ英語 |
analyse | analyze |
organisation | organization |
apologise | apologize |
-ae-/ -e-; -oe-/ -e-
イギリス英語では-ae-/ -oe-となるものが、アメリカ英語では-e-になります。
特に医学用語に多く見られます。
イギリス英語 | アメリカ英語 |
encyclopaedia | encyclopedia |
mediaeval | medieval |
leukaemia | leukemia |
その他のスペル
-LL-/ -L-
-Lで終わる単語から派生語を作る場合、アメリカ英語ではLが1つ、イギリス英語ではLが2つになります。
イギリス英語 | アメリカ英語 |
travelling | traveling |
counselling | counseling |
modelling | modeling |
※ただし、Lを含む音節にアクセントがある場合は、アメリカ英語でもexcelling, propellingなど、Lが2つになる。
-L-/ -LL-
上の例とは逆に、イギリス英語ではLが1つ、アメリカ英語ではLが2つになるものもあります。
イギリス英語 | アメリカ英語 |
enrol | enroll |
fulfil | fulfill |
サイレントe
接尾辞をつけて単語を派生させるときに、
- イギリス英語では発音しない「e」を残したまま
- アメリカ英語ではなくしてしまう
ことがあります。
イギリス英語 | アメリカ英語 |
dyeing | dying |
sizeable | sizable |
judgement | judgment |
単語の使い方
イギリス英語とアメリカ英語では、単語の使用法に違いがあります。
以下、最初にイギリス英語、次にアメリカ英語の順に、具体例とともにご紹介します。
同じもの/ことを表すのに、違う単語を使う
同じもの/ことを表すのに、イギリス英語とアメリカ英語で違う単語を使うものがたくさんあります。
イギリス英語 | アメリカ英語 | |
サッカー | football | soccer |
地下鉄 | underground | subway |
消しゴム | rubber | eraser |
同じ単語なのに、違う意味になる単語
同じ単語なのに、イギリス英語とアメリカ英語で違う意味になる単語もたくさんあります。
イギリス英語 | アメリカ英語 | |
pants | 下着のパンツ | ズボン |
apartment | ちょっと豪華なマンション | アパート、マンション |
bathroom | 浴室 | トイレ(のある浴室) |
文法
イギリス英語とアメリカ英語では、文法に違いがあります。
以下、最初にイギリス英語、次にアメリカ英語の順に、具体例とともにご紹介します。
過去形を現在完了形として使う
アメリカ英語では、already/ yet/ justなどを過去形に用いて、現在完了形の代用として使うことができます。
英)I am not hungry. I have already had lunch.
米)I am not hungry. I already had lunch.
getの過去分詞としてgottenを使う
getの過去分詞形はgotですが、アメリカ英語では「~になる」と言いたいときに、口語ではgottenを使うことがあります。
英)It’s got so cold today.
米)It’s gotten so cold today.
haveの使い方
持っていると言う意味のhaveは、イギリス英語では以下のように使うことがあります。
英)Have you a map?(I haven’t a map.)
Have you got a map?(I haven’t got a map.)
米)Do you have a map?(I don’t have a map.)
集合名詞の扱い
集合名詞は、通常、
- イギリス英語では、複数
- アメリカ英語では、単数
と見なされます。
英)My family are visiting from Japan.
米)My family is visiting from Japan.
他の例:government, team, company
shall/should
イギリス英語では、何かすることを申し出る、または提案をするときにShallを使います。
これに対し、アメリカ英語では、同じことを言いたいときに通常、shallは使いません。代わりに、Should/ Can /Let’s/ How aboutなどを使います。
英)Shall we meet at 3PM tomorrow?
Shall I open the window?
Shall we get something to drink?
米)How about we meet at 3PM tomorrow?
Do you want me to open the window?
Let’s get something to drink.
動詞の活用変化
-ed/ -t
過去形および過去分詞形が、
- イギリス英語では-t
- アメリカ英語では-ed
になるものがあります。
イギリス英語 | アメリカ英語 |
dream-dreamt-dreamt | dream-dreamed-dreamed |
learn-learnt-learnt | learn-learned-learned |
burn-burnt-burnt | burn-burned-burned |
規則変化と不規則変化
動詞の中で、
- イギリス英語では規則変化
- アメリカ英語では不規則変化
するものがあります。
イギリス英語 | アメリカ英語 |
forecast-forecasted-forecasted | forecast-forecast-forecast |
light-lighted-lighted | light-lit-lit |
fit-fitted-fitted | fit-fit-fit |
数字に関する表現
イギリス英語とアメリカ英語では、数字に関する表現に違いがあります。
以下、最初にイギリス英語、次にアメリカ英語の順に、具体例とともにご紹介します。
数字の言い方
100の桁
例えば323は、
- イギリス英語では、three hundred and twenty-threeですが、
- アメリカ英語では「and」をなくした、three hundred twenty-three
と言います。
1000の桁
例えば3255は、
- イギリス英語では、three thousand, two hundred and fifty-fiveですが、
- アメリカ英語ではしばしば、thirty-two hundred fifty-five
と、100桁を軸に言われます。短くて簡単だからと言う理由です。
階の呼び方
建物の階は、
- イギリス英語では、一階がground floor、二階がfirst floor
- アメリカ英語では、一階がfirst floor、二階がsecond floor
になります。
日付の言い方、書き方
日付の順番は、
- イギリス英語では日、月、年
- アメリカ英語では月、日、年
で、月と日が逆になります。
日付を言うとき
- イギリス英語では、the 13th of December 2021
- アメリカ英語では、December 13th, 2021
と言います。
日付を書くとき
- イギリス英語では、13 December 2021(13/12/2021)
- アメリカ英語では日付の後にカンマを付けて、December 13, 2021(12/13/2021)
と書きます。
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参考文献、サイト
British Council
D.セイン「英語ライティングルールブック」DHC、2004年