英語が通じるように、リズムとイントネーションの練習をしたいけど、どうしたらいいのかな
そんな方のために、この記事では、
- 英語の区切り、リズム・イントネーションを練習する方法を、簡単な3ステップ
でご紹介します。
英語の区切り、リズム・イントネーションをマスターする方法
「英語を話す時、どこで区切るのか:区切りの目安」と言う記事(リンクはこちら)でご紹介した通り、英語で話されることを、意味のかたまり分割する絶対確実な方法はありません。
また、一定の目安になるものの、文章の構造や文法の要素から区切りを覚えるのは、かなりボリュームがあり大変です。しかも、具体例なく言葉だけ覚えても役に立ちません。
そして、すべて覚えたからと言って、聞いたり話したりする途中で、瞬間的にその知識を適用して使うのは非常に難しいと言えます。
ですので、実際は、言葉を学ぶ原則の「聞く」というインプットで、どこに区切りがあるのか学ぶしかありません。
英語の区切り、リズム・イントネーションをマスターする方法:3ステップ
ただ聞いているだけでは、なかなか英語の区切り、リズム・イントネーションを正しく学ぶことができないので、以下の3ステップを行います。
- たくさん聴く
- テストする
- シャドーイングする
詳しい内容については、次に紹介します。
ステップ1:たくさん聴く
英語の区切り、リズム・イントネーションをマスターする方法の最初のステップは、たくさん聴くことです。
有名スピーチから学ぶ
聴く内容として、スピーチで学ぶ方法をお勧めします。スピーチのいいところは、
- 聞いている人にすぐ理解してもらえるように、簡単でわかりやすくまとまっていること
- 普通の会話よりゆっくり話されていること
- 何度聞いても飽きが来ない(ものもある)
ことです。
ただし注意点として、
- 普通の会話より区切りが多くなる傾向があること
- 普通の会話では区切らないところで切れているところがあること
- スピーチは通常の会話とは違うので、リズム・イントネーションが通常とは違うことがあること
に注意が必要です。
YouTubeにはたくさんのスピーチのビデオがあるので、検索して、聴いてみたいと思うもので勉強を始めるといいと思います。
「motivational speech」、または「commencement speech」と検索してみてください。
おすすめのスピーチ
勉強になるおすすめのスピーチを、以下にご紹介します。
マーティン・ルーサー・キングJr
- マーティン・ルーサー・キングJr.の1963年8月のスピーチ(Youtubeのリンクはこちら)(英語の字幕あり)
米国公民権運動家のマーティン・ルーサー・キングJr.が1963年8月に行った演説、「I have a dream」と呼ばれているものです。
スピーチの書き起こしと、どこに区切りがあるかを記したものを、こちらのリンクにおきます。
Youtubeのビデオと一緒にご覧いただけると、どこで区切るのが自然なのかが、なんとなくイメージできるかなと思います。
内容は、高校生の英語レベルで大体理解できるものです。
※実際に言っていることと書き起こしに多少違いがあるので、ご了承ください。
スティーブ・ジョブス
- スティーブ・ジョブスのスタンフォード大学の卒業式におけるスピーチ(Youtubeのリンクはこちら)(日本語、英語字幕あり)
有名なスピーチなので、いまさらおすすめのポイントを言うまでもないのですが、とても力づけられる感じです。
J.K.ローリング
- ハリーポッターの作者、J.K.ローリングのハーバード大学の卒業式におけるスピーチ(Youtubeのリンクはこちら)(英語字幕あり)
ハリーポッターの内容ともからめた、とても楽しいスピーチです。
ローリングはイギリス出身なので、イギリス英語です。
豊田章男
- トヨタの社長、豊田章男のバブソン大学の卒業式におけるスピーチ(Youtubeのリンクはこちら)(日本語、英語字幕あり)
英語はネイティブとは言えませんが、ユーモラスなスピーチです。
日本で育った日本人であれば、これを目指すのがいいかなというモデルになると思います。
ステップ2:英語の区切り、リズム・イントネーションをテストする
英語の区切り、リズム・イントネーションをマスターする方法の第2のステップは、正しくできているかテストすることです。
英語の区切り、リズム・イントネーションをテストする方法
英語のリズム・イントネーションをテストする方法は、以下の3ステップです。
- 書きおこしを読んで、文の区切りを予測する
- ストレスとイントネーションを予測する
- スピーチを聞いて、答え合わせをする
ステップ1:書きおこしを読んで、文の区切りを予測する
まず、用意した書きおこしで、区切って間違いないと思う場所に線(スラッシュ)を引きます。YouTubeのビデオから書きおこしを用意する方法については、記事の一番下でご紹介します。
どこで区切れるのか考える時には、以下のことに注意します。
- 話し手の伝えたい情報ごとに、1つの区切りになる
- 区切りの1つ1つは意味のまとまりになっていて、1つ以上の内容語がある
- 1つのまとまりとして意味をなさないところで区切れることはない
- 冠詞とそのあとの語の間など、絶対に区切れないところがある
ステップ2:ストレスとイントネーションを予測する
文章の中で一番ストレス(音声的に一番目立ったもの)がある単語を予測し、下線を引きます。
ストレスを考える時には、以下のことに注意します。
- 意味のまとまりの中心になる、情報的な焦点のある単語に、ストレスが付けられる
- 言いたいことは内容語で表されるので、通常、ストレスは内容語にある
- 通常であれば、意味のまとまりの中の最後の内容語がストレスを受ける
次に、イントネーションを予測します。
- イントネーションは、話している人がどういう感情を表したいかを示してるので、何を伝えたいのかを考える
ステップ3:答え合わせをする
スピーチを聞いて、答え合わせをします。ゆっくりとしたスピードで聞くと、区切りやリズム、イントネーションがわかりやすくなります。
答え合わせの注意点は、以下になります。
- 文章の区切りは、音声的にはイントネーションの変わり目に過ぎないので、必ずしも区切りがあるところで話し手が休止しているとは限らない
- スピーチでは、普通の会話では区切らないところで切れているところがある
- 英語では、話し手が重要だと考える語とそうではない語では、発音の仕方が非常に異なるので、自分の予測と実際のスピーチのストレスが違っていたからと言って、必ずしも間違いとは言えない
- イントネーションは、人・国・地域によって違うこともあるので、自分の予測と実際にスピーチが違ったとしても、必ずしも間違いとは言えない
ステップ3:シャドーイングで文章の区切り、リズム・イントネーションをマスターする
英語の区切り、リズム・イントネーションをマスターする方法の第3のステップは、シャドーイングをすることです。
ステップ2の答え合わせの注意点からもわかるように、絶対にこれが正しいと言う区切り、リズム・イントネーションはありません。
とは言うものの、おおよそのパターンはあるので、たくさん聴いてテストしたあと、明らかに間違っているところがある場合は、シャドーイングをして、そのパターンを練習します。
ステップ1と2が終わっていれば、練習しようと思っているスピーチを何度か聞いて、書きおこしも読んでいると思います。ですので、ここでのシャドーイングはその先の、以下のステップになります。
英語の区切り、リズム・イントネーションをマスターするためのシャドーイング
- 書きおこしを見ながらビデオを流し、聞いていることをそのまま口に出して話す。スピードが速すぎる場合は、ゆっくりにする
- 書きおこしを見ずに、普通のスピードでシャドーイングできるまで練習する
- 次に、どこで区切れるのか、リズム・イントネーションはどうなっているのかを考えながら、シャドーイングする
- 十分練習出来たらシャドーイングしている自分の音声を録音し、実際にスピーチと比べてみる
YouTubeから文字起こしを準備する方法
有名なスピーチなどは書籍化されていたりしますが、フリーで簡単に書きおこしを準備する方法として、YouTubeから文字起こしを取る方法をお勧めします。
※iPad/ iPhoneなどのYouTubeアプリではできないようなので、PCをご準備ください。
ステップ1
文字起こしを取りたいYouTube動画を開き、動画下にある、矢印の3つの点をクリック
ステップ2
開いたウィンドウの、矢印で印した「文字起こしを開く」をクリック
ステップ3
右側に文字起こしが出てくるのでコピーし、ワードなどにペーストする。
※文字起こしが英語ではない場合は、下の矢印の部分をクリックすると、言語が選べます。
※※文字起こしに時分秒が出ている場合は、上の矢印をクリックすると切り替えられます。
—–
参考記事
「英語を話す時、どこで区切るのか:区切りの目安」(リンクはこちら)
「英語の区切り、リズム・イントネーションの練習方法:付録」(リンクはこちら)
「英語の疑問文の語尾 上げる?下げる? そのパターン一覧」(リンクはこちら)
—–
参考文献
渡辺和幸「英語のリズム・イントネーションの指導」大修館書店、1994年