ビジネス文書でのコロン(:), セミコロン(;)の使い方 その違い

コロンセミコロン使い方 TIPS
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コロン(:)

コロンは、ピリオドが上下に2つ重なったような形をしています。

コロンは、その後ろに「何か」が続くことを示しています。「何か」とは、次の具体例、文章、引用です。

具体例(リスト)が続く

ビジネス文書でのコロンの一番の使用方法は、コロンの後に続くものが、前の文章の言い換え、または説明になっているものです。

トピックを一般的な言葉で紹介:同じトピックをより具体的な言葉で説明
前の文章と後の文章の間に強い関連性があるときに使います。

使い方 例1

例えば、以下の通りです。

XYZ Corporation has three main subsidiaries: X Co., Y Ltd., and Z Corp.
(XYZ社の2つの主要な子会社=X社、Y社、Z社(具体例)です。)

コロンに続くものは、以下のように1つ以上なら使えます。

The factory is facing a terrifying problem: electricity outage.
(工場は停電と言う大変な問題に面しています。)

使い方 例2

この他ビジネスで非常によく使われるのは、「follow」を使った次の例です。

The results are as follows (are the following):

    • excellent for product A,
    • good for product B, and,
    • bad for product C.
「as follow 」や「are the followings」にはなりません。

言い換える方法

例の1は、コロンを以下のように、namely, for example, which isなどで言い換えることができます。

XYZ Corporation has three main subsidiaries, namely X Co., Y Ltd., and Z Corp.

The factory is facing a terrifying problem, which is electricity outage.

コロンの使い方に不安のある時は、namelyなどで言い換える方法を使う方がいいと思います。

文章が続く

コロンの後ろの文章で、前の文章の説明や強調、定義をします

The client was happy: the presentation was perfect.
(顧客は満足していた。なぜならプレゼンが完璧だったからだ)

後ろの文章(プレゼンが完璧だった)が、前の文章(顧客が満足していたこと)の説明になっています。

しかし、この使い方はビジネスではまれです。

ビジネスでは、伝えたいことを誤解のないように明確にする必要があるので、なぜ2つの文章に関連性があるのかを示す言葉を使用するのが普通だからです。

ですので、同じことを言う場合、通常、以下のように書きます。

The client was happy because the presentation was perfect.

引用が続く

この使用法は、ビジネスでは使われません。

He told me: “The life is perfect.” 

セミコロン(;)

セミコロンは、コンマの上にピリオドが付いたような形をしています。

主な使い方は、接続副詞と一緒に使うとき、コンマが多すぎるとき、文章をつなげる言葉なしにつなげるとき、の3つです。

接続副詞と一緒に使うとき

使い方

接続副詞、例えばhoweverやthereforeを使って、2つの独立した文章をつなぐときに使います。

Operating profit has shown a significant improvement; however,  we believe that this is only a temporary phenomenon.

この使い方の特徴は、2つの文章をバラバラにしても、意味が同じなことです。

バラバラにしても意味は大体同じなので、使い方に不安があるときは、使わない方がいいと思います。

なぜセミコロンを使うのか

バラバラでも同じ意味なのですが、2つの文章のつながりが強いと強調したいときに使います。

セミコロンは下側にコンマが付いているところから、2つの文章が続いているものだ(コロンと違って前の文章の言い換えではない)という雰囲気をかもし出している思います。

つながりが強いと思うので2つの文章を1つにしたいけれど、文法上コンマではつなげられないので、上に点が付いているコンマ(=セミコロン)でつなげた、と言うイメージです。

セミコロンとよく一緒に使う接続副詞

セミコロンとよく一緒に使う接続副詞には、以下のものがあります。

moreover, furthermore, nevertheless, nonetheless, however, otherwise, therefore, then, thus, hence, finally, consequently, likewise

接続副詞の使い方の注意

セミコロンとともに接続副詞を使ってつなげた2つの文章は、1つ1つの文章にバラバラにすることはできますが、セミコロンの代わりにコンマでつなげて使うことはできません。

接続副詞を使って文章をつなげる時は、必ずセミコロンを使い、接続副詞の後にコンマが必要です。

誤)Operating profit has shown a significant improvement, however,  we believe that this is only a temporary phenomenon.

正)Operating profit has shown a significant improvement; however,  we believe that this is only a temporary phenomenon.

正)Operating profit has shown a significant improvement. However,  we believe that this is only a temporary phenomenon.

接続副詞は、接続詞(and, butなど)とは使い方が違うので、注意が必要です。

コンマが多すぎるとき

ある項目を列記したいときに、その項目にすでにコンマが含まれている場合に使います

わかりにくいと思いますので、以下の例で説明します。

We will go on a business trip to New York, US; London, UK; and Paris, France.

上記の例にある、NY, US/ London, UK/ Paris, Franceを下の例のように全部カンマでつないでしまうと、どれがひとかたまりなのか、もしくは全部がばらばらなのか、非常にわかりにくくなってしまいます。

誤)We will go on a business trip to New York, US, London, UK, and Paris, France.

それを避けるために、セミコロンでつなぐのです。

この使い方は、以下のようにカッコで書き換えることもでき、ビジネスではこちらの方がよく使われます。

We will go on a business trip to New York (US), London (UK) and Paris (France).

文章をつなげる言葉なしで文をつなげるとき

以下の使い方は、ビジネスでは非常にまれです。

ピリオドで区切るには2つの文章が密接に関連していると思うけれども、文法上、2つの文をそのまま1つにはできない場合に使います。

原則として、2つの別々の文章にばらばらにすることもできます。または、and, but, or, yet, whileなどでつなげることも出来ます 

The client was happy; the presentation was perfect.
または
The client was happy and the presentation was perfect.

2つの文章をつなぐ言葉がないと意味が不明確になりかねないので、この使い方をビジネス文書で見たことはありません。

2つの文のつながりを文脈から読み取らないとならないため、何となく、文語調な雰囲気が漂っています。

コロンとセミコロンの違い

2つの独立した文章

コロンとセミコロンの違いについて示すために、ビジネスとしてはまれな使い方ですが、先ほどと同じ次の文を例として考えてみます。

The client was happy.  The presentation was perfect. 

ピリオドで区切られているこの2つの文章は独立していて、顧客が満足したこととプレゼンが完璧だったことに関連性があると読み取ることはできません。

セミコロンでつなぐ

これを、セミコロンでつなぐとどうなるでしょうか。

The client was happy; the presentation was perfect.

セミコロンは、プレゼンが完璧だったことと、顧客が満足していたことに関連性があること示しています。

以下のように、andでセミコロンを言い換えることができるので、

The client was happy and  the presentation was perfect.

「顧客は満足していて、プレゼンは完璧だった」、と言う意味になります。

例えば、会議はどうだったの?と聞かれたときに対する答えのイメージです。セミコロンが示している関連性は会議、と言うことになります。

コロンでつなぐ

では、コロンでつなぐとどうなるでしょうか。

The client was happy: the presentation was perfect.

コロンは、顧客が満足していたこととプレゼンが完璧だったことに強い関連性があることを示しています。

コロンはその後にある文章で、前の文章を説明したり強調したりするときに使うので、以下のように言い換えられます。

The client was happy because the presentation was perfect. 

つまり、プレゼンが完璧だったので、顧客は満足した」、と言う意味になります。

よくある間違い

such as, including, especially, for exampleなどの後でコロンを使う

Such as, including, especially, for exampleなどの後には具体例が続きますが、コロンは必要ありません。

誤) There are many different types of businesses, including: corporation, partnership and LLC.

関連のない文章をつなげる

関係のない文章を、コロンやセミコロンでつなぐことはできません。

誤) The client was happy: I had lunch.

バラバラにできない文をセミコロンでつなげる

セミコロンはバラバラにした時に2つの独立した文章になる場合以外には使えません(例外 コンマが多すぎる時に使うとき)。

以下の例では、セミコロンの後の文章は独立しておらず、セミコロンの前と後の文章をバラバラにすることはできないので、セミコロンは使えません。

誤)I had a meeting with a client today; a video conference tomorrow. 

正しくは、以下の通りになります。

正)I had a meeting with a client today; I will have a video conference tomorrow.

コロンの後に文章が続く時に、最初を大文字にするのか

イギリス英語では、コロンの後ろは、文章が続いたとしても、固有名詞以外は小文字です。

これに対しアメリカ英語では、コロンの後ろが文章の場合は、大文字になることもあるようです。アメリカ英語でも、どちらが正しいという明確なルールはないようで、文章のスタイルの違いのようです。

ですので、固有名詞以外は、コロンの後は小文字にするのがいいと思います。

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参考サイト
University of Sussex

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