ビジネス文書でper seと見かけたけど、どういう意味だろう
と思われる方もいらっしゃるのでしょうか。
そこでこの記事では
- Per seの意味と使い方
- 法律的な意味で使われるper se
- 口語表現におけるper seの誤用
- Per seはビジネスで使えるのか
についてシェアしたいと思います。
「Per se」の意味
Per se の語源
ラテン語の「per」と「se」から来ています。
- Per:「通して」「によって」
- Se:「それ自身」
per se の意味
それ自身を通して、と言う語源から、per seは
と言う意味になります。
Per se の読み方
/pəː seɪ/
perは「ぱ」があいまい母音になったものが伸びた感じの音、seは「言う」と言う意味のsayと同じ音です。
音が同じなので「per say」と書いてあることがあるのですが、間違いです。
Per se の具体的な使い方
Per seを使った例文
Per seは話しているときは使用されますが、法律以外のビジネス文書ではあまり使われません。
書いてあるのを見たことはあるけど、そんなにたくさんではないという感じです。
Per seを使った例文は、以下です。
This statement is interesting per se.
この発言自体は面白い。
This discussion is about perception and not about actuality per se.
この議論はどのように認識するかについてであり、現実そのものについてではない。
The point is that reality per se is unknown.
重要なのは、現実自体は不明であるということだ。
This does not mean, however, that currency devaluation per se was avoidable.
ただし、これは通貨の切り下げ自体が回避可能であったことを意味するものではない。
There is nothing per se wrong with such richness.
そのような金持ちであること自体に、問題があるわけではない。
法律的な意味で使われるper se
法律的なper seの意味
法律的な意味で使われるper seは、
を意味します。
法律的なper seの具体例
具体例がないとなかなか難しいと思いますので、自賠責法を使った以下の例で説明します。
In Automobile Liability Law, a statutory violation is negligence per se.
自賠責法では、法律違反すること自体が過失とされます。
通常、何らかの損害を被って民法上の責任を追及したい場合は、被害者が、損害があったこと、また加害者の故意・過失を証明しなければなりません。
しかし、自賠責法では、被害者は加害者によって損害を受けたこと(=法律違反があったこと)を証明すれば、法律違反すること自体が過失とされるので、加害者の故意・過失を証明する必要はありません。
つまり、法律違反があったことに、本質的に過失があった(negligence per se)と言うことが含まれていると言うことを意味します。
以上のような使用法で、per seは英語の法律文書ではよく使われます。
Per se はネガティブな表現なのか
Per seは何らかの否定的なコメントを伴うか、または否定的な文脈に多く使われ、通常、肯定的な文脈では使われません。
例えば、
Economic growth per se is good for people.
経済発展自体は、人々にとっていいものである。
と言うような使い方をする場合を考えてみます。
この後の文章は、「しかし」とつながり、per seを使った前の文章を否定する意見が続くのが自然です。
Per se=「それ自体は」、「本質的には」と言う言葉には、
そうなんだけど、でもね…
と言うニュアンスが含まれていて、言っていることを完全に肯定する感じではありません。
比較的中立的な使い方としては、以下の例があげられます。
Since both of their arguments are plausible, theory per se cannot resolve the Board of Directors’ debate.
双方の議論が妥当なので、理論自体は取締役会の議論を解決することはできません。
口語表現におけるPer seの誤用
Per seはラテン語起源の言葉なのですが、日常会話で割と多く使われています。
映画やドラマで、使われているのを聴くこともあると思います。
もちろん正しい意味で使われていることがほとんどなのですが、以下のように誤用されることもよく見られます。
Per seを「必ずしも」の意味で使う
例えば、以下のように使われたりします。
He wasn’t angry, per se, he just wasn’t happy about it.
この文章は、
「彼は必ずしも怒っているわけではなく、それに満足していなかっただけだ。」
と言うことを意味するのですが、per seをnecessarily(必ずしも)の代わりとして使っていて、使い方を間違っています。
Per seを「いわば」の意味で使う
例えば、以下のように使われたりします。
I will let you do it only because you’re family, per se.
この文章は、
「きみが家族みたいなものだから、それをさせてあげるんだ」
と言うことを意味するのですが、per seをso to speak(いわば)の代わりとして使っていて、使い方を間違っています。
Per seはビジネスで使えるのか
Per seはインフォーマルな表現なのか
Per seは、言葉自体がインフォーマルなものではありません。ラテン語を起源としていることもあり、フォーマルな表現と見ることも出来ます。
しかしper seは、口語表現として多用されていること、また間違って使用されていることも多くあることから、
- インフォーマルな表現
- プロフェッショナルでない表現
とみなされる可能性があります。
Per seはビジネスで使えるのか
per se=それ自体は、という表現は、それがなくても全体の文章の意味は大きく変わりません。
ですので、法律的な意味でper seを使う必要がない限り、その他のビジネスシーンではper seは使わない方が無難だと思います。
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参考サイト
https://thecontentauthority.com/blog/how-to-use-per-se-in-a-sentence
https://readable.com/blog/how-to-correctly-use-per-se/
https://www.law.cornell.edu/wex/per_se
https://www.etymonline.com/
https://dictionary.cambridge.org/example/english/per-se