初めての相手にメールする場合は、以下の点に特に気を付ける必要があります。
- 件名
- 宛名
- 自己紹介
- 連絡先の伝え方
- 終わりの挨拶
そこでこの記事では、初めての相手に英語でメールする書き方について、詳しくシェアしたいと思います。
初めての相手にメールを書く時の、件名の書き方
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初めての相手にメールを送る場合、まずメールを開いてもらえるようにしなければなりません。
そのため件名は、
- できれば紹介者や共通の知り合いの名前を書く、それが不可能であれば、
- 内容が明確かつ具体的で、受け取った人が開いてみようと思うよう
に書きます。
そして、知らない人からのメールは件名だけさっと見て読むかどうかを判断するので、件名の一番最初(またはその次)に書いてある単語が重要です。
件名の書き方(社内・社外)
社内の人に用事があって初めてメールする場合
社内の人に用事があって初めてメールする場合は、件名は通常のメールと同じく、内容を具体的に表したものにします。社内の人からのメールであることはアドレスからわかるので、普通の書き方をしていれば開かれない可能性はそれほどないからです。
通常のメールの件名の書き方については、以下の記事が参考になります。
「英文ビジネスメール:件名の書き方」(リンクはこちら)
社内の人に挨拶メールをする場合
社内の相手に初めて挨拶するためにメールする場合は、件名に自分の名前と部署を書きます。
ただし、通常は社内の人に挨拶だけのメールを送る必要はありません。メールを開いて読むのは、相手の時間を取ることになるからです。挨拶をしなければならないのは、頻繁に仕事でやり取りすることになるけれども、自宅勤務などで会えないなどの特別な事情がある場合に限られます。
件名の例
- Jane Smith from Finance Dept. (saying hello)
- Jane Smith: new employee in Finance Dept. (saying hello)
紹介がある社外の人にメールする場合
紹介がある、または共通の知人のいる社外の人に初めてメールする場合は、件名のなるべく初めに相手が認識できる知り合いの名前を書くようにし、その人からの紹介である旨を書きます。相手がモバイルで読む可能性がある場合は、5語以内(25-30文字)にその名前がないと表示されなくなります。
件名の例
(John Smithさんに紹介された場合)
- John Smith suggested I contact you(スミス氏に連絡することを提案されました)
- John Smith asked me to contact you(スミス氏に連絡してくれるように頼まれました)
- John Smith gave me your email address(スミス氏にあなたのメールアドレスを教えてもらいました)
- Introduced/Referred by John Smith(スミス氏に紹介されました)
紹介のない社外の人にメールする場合
紹介のない社外の人にメールする場合は、相手にメールを開いてもらう動機を与える必要があります。単に商品を売りたいと言うような件名では、開いてもらえる可能性は低くなります。
件名の例
- New contact person for your IT service(御社のITサービスの新しいコンタクトです)
- Follow-up on the [event/conference](先日のイベントのフォローアップです)
- Sales rep from ABC Co. reaching out(ABC社の営業担当者からの連絡です)
求人に応募する場合
求人に応募する場合は、求人に応募していることがすぐわかるような件名にします。
件名の例
- Job application: Jane Smith applying for sales manager position
Job application: 「自分の名前」applying for 「応募するポジション」position - Sales manager: Jane Smith applying for the position
「応募するポジション」:「自分の名前」applying for the position
避けるべきスパムのような件名
以下のようなスパムのように感じられる件名は、相手の会社のサーバでよけられてしまう、または届いても開かれない可能性が高いため、避けなければなりません。
件名が挨拶だけのもの
ビジネスメールの件名は内容を具体的かつ明確に書くのが普通なので、挨拶だけのものは開かれない可能性が高くなります。
- Hello
- Hi
- Dear メールのアドレスにある名前
緊急性をあおるもの
知らない相手からのメールの件名で緊急性を伝えられても、開かれることはありません
- Urgent notice
- Act now
- Time limited
商品名だけを強調するもの
- Buy (商品名)
金銭的にお得な商品であることを強調するもの
- Save $
- Bargain
- Only $100
開かないと損をすることを強調するもの
- Missed opportunity
- One time offer
- Only for you
無料で何かを提供するもの
- Free trial
- Gift for you
- 100% free
「英文ビジネスメール:件名の書き方」(リンクはこちら)
初めての相手にメールを書く時の、宛名の書き方
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初めての相手にメールする場合には、インターネットで調べる、または同僚に聞くなどして、できるだけ相手の名前を書くようにします。メールが開かれたとしても「ご担当者様」などの一般的な宛名だと、その時点で閉じられてしまう可能性があります。
相手の名前がわかる場合の宛名
社内の人
社内の人に書く場合は以下のように、「Mr./Ms.+姓」とします。ファーストネームだけの宛名は、社内でファーストネームで呼び合うというコンセンサスがある場合に限られます。
- Mr. Smith(Mr./Ms.+姓)
社外の人
社外の人に書く場合は以下のように、「Dear+Mr./Ms.+姓」とします。
- Dear Mr. Smith(Dear+Mr./Ms.+姓)
相手の名前がわからない場合の宛名
調べてもどうしても受取人の名前がわからない時の宛名は、以下のようにします。
- Dear 役職(例:Dear Hiring Director)
- Dear 部署名(例:Dear Human Resources)
- Dear 会社名 Team(例:Dear ABC Co. Team)
- Dear 役割(例:Dear Recruiter)
- To the 会社名 Team(例:To the ABC Co. Team)
- To the 役割 Team(例:To the Recruiting Team)
※「Dear…」より「To the…」の方が事務的なニュアンスがあります。
「To whom it may concern」(関係者各位)「Dear Sir or Madam」(ご担当者様)は、自分には関係ない(関係者ではない/担当者ではない)と思われその先を読んでもらえない可能性があるので、避けた方が無難です。
「英語メールの宛名の書き方」(リンクはこちら)
初めての相手にメールを書く時の、自己紹介の書き方
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自己紹介の書き方
初めての相手にメールする場合は最初に自己紹介をしますが、紹介はできるだけ短くし、自分の名前と役職、会社名を書くにとどめます。長い自己紹介を書くと、要件の部分を読む前に相手の興味が失われる可能性があります。
自己紹介の例
My name is Jane Daniels and I work as a technical engineer at ABC Co.
始めまして、突然失礼しますと書くべき?
日本語で書く初めての相手にするメールの以下のような表現は、基本的に英語のビジネスメールでは書く必要はありません。
- 始めまして
- 突然失礼します
- 初めてメールさせていただきます
英語でのビジネスではできるだけ簡素に伝えたいことを書かなければならないので、これらの表現を書かなくても、相手に失礼と思われることはありません。
始めまして
英語の書き言葉には、日本語の「初めまして」にあたるいい言葉がありません。無理やり訳すとすれば、”It is a pleasure meeting you here.”(hereが今書いているメールにあたる)ですが、ビジネス英語として違和感があります。
“Meet”は基本的に、顔を合わせて会うことを表すので、「メールで会う」と言う比喩表現は実務的なビジネスにはなじまない感じです。
突然失礼します
日本語のメールでよくある表現の「突然のメール(連絡)で失礼します」は、突然のメールであることは自明なので書く必要はなく、「失礼します」はビジネスで必要であればメールを送るのは許容されることなので、”sorry to bother you…”などと書く必要はありません。
初めてメールさせていただきます
また、「初めてメールさせていただきます」も、書かなくても相手には当然わかっているため書く必要はありません。
初めての相手にメールを書く時の、メールの内容
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誰かに紹介されてメールを書いている場合は自己紹介のすぐ後にその旨と、なぜメールをしているかをまとめとして書きます。
メールの目的を明確にすることで、読み手にきちんと対応するべき相手であるとの印象を与えることができます。また要点が絞られていれば、すぐに応答してもらえる可能性が高まります。ですので、一番最初に書く要件の要約は長くても2行程度にまとめます。
より詳しい説明が必要な場合は、改行して次のパラグラフで、できるだけ簡潔に述べます。
誰かに紹介されている場合の例文
Mr. John Smith referred you regarding [要件].
- 自己紹介と合わせた例
My name is Jane Daniels and I work as a technical engineer at ABC Co. Mr. John Smith referred you regarding a new construction project in the shopping district and I would like to schedule a meeting to discuss with you about the details of project.
ABC社の技術技師のジェーン・ダニエルズと申します。スミス氏に紹介され、商業地区での新しい建築プロジェクトについて連絡しています。同プロジェクトの詳細についてお話するために、お時間を頂きたいと思っております。
紹介なしの例文
I am writing this email (/I am contacting you) to [要件].
- 自己紹介と合わせた例
My name is Jane Daniels and I work as a technical engineer at ABC Co. I am writing this email to discuss with you a new construction project in the shopping district and I would like to schedule a meeting to discuss with you about the details of project.
ABC社の技術技師のジェーン・ダニエルズと申します。商業地区での新しい建築プロジェクトについてご相談させていただきたく連絡しています。同プロジェクトの詳細についてお話するために、お時間を頂きたいと思っております。
初めての相手にメールを書く時の、連絡先の伝え方
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メールの最後に、連絡先(あれば希望する連絡方法)と返事のデッドラインを伝えます。
「なるべく早く連絡が欲しい」などの期限を設けないものは、伝える相手によって「なるべく早く」が明日になるか1週間後になるかわからないため、内容と照らし合わせて妥当と思われる具体的なデッドラインを設けます。
例文
This is the best email to reach me at any time but if you would like to call me, following is my number.
email:アドレス
tel:電話番号
I would really appreciate it if you could get back to me by the end of this week.
このメールアドレスであればいつでも連絡可能ですが、お電話をされたい場合は電話番号は以下になります。大変恐縮ですが、今週末までにご連絡いただければ幸いです。
初めての相手にメールを書く時の、終わりの挨拶
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終わりの挨拶の書き方
メールの終わりの挨拶として、「Best regards」または「Sincerely」と書きます。「Sincerely」は非常にかしこまった感じがするため、特にかしこまる必要のない通常のビジネスのやり取りであれば、「Best regards」でいいと思います。
“Best regards”の後にコンマが必要です(Best regards,)。
特に丁寧にメールを終わらせたい場合は、メールの具体的な内容とともに以下の例文の文言を”Best regards”の前に書き添えます。
例文
I look forward to hearing from you soon so that we can discuss a new and exciting project with you.
Best regards,
(訳)新しいプロジェクトについてお話しさせていただきたく、お返事をお待ちしております。
「英文ビジネスメールの結びの言葉 Best regardsの使い方」(リンクはこちら)
恐縮/お手数ですがと書くべき?
以下のような表現は、本当に急なお願いだったり面倒をかけることではない、通常許容される範囲のお願いであれば英語のビジネスでは言う必要がないので、書く必要はありません。
- 急なお願いで恐縮ですが
- お手数をおかけしますが
- ご多忙の折恐縮ですが
今後ともよろしくと書くべき?
日本語の「今後ともよろしくお願いします」にあたる英語のいい表現はありません。
I look forward to working with you.
“I look forward to working with you.”は「今度ともよろしく」と表現としては近いですが、初めての相手にメールを書く時に送るのには多少違和感があります。
“Look forward to”は「起こりそうな/起こるだろうこと」を期待して待つと言う意味なので、相手によっては、まだこちらと一緒に働くこと(”work with”)は決めていない状態なのに、一緒に働くことが前提とされているようなこの表現はどうだろうと思われる可能性があります。
Thank you for your (continued) support.
“Thank you for your (continued) support.”は「引き続きよろしく」と表現としては近いですが、まだ何も仕事を一緒にしていない状態の時は現状と合わない(まだ支援も支持もしていない)ので、おかしくなります。
また、”continued support”は一緒に仕事をしているような場合に引き続きよろしくと言うために使うのではなく、自社の製品(例えばソフトウェア)を使用してくれているようなときに使う表現です。
初めての相手にメールを書く時の、最後の署名
最後の署名については通常のメールと同じく、名前、役職、会社名を書きます。署名の部分は、改行はしますが1行あけることはしません。
Jane Smith,
Technical Engineer, ABC Co.
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