マインドマップ英単語勉強法:マインドマップの作り方と覚え方

マインドマップ英単語勉強法 勉強法
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ブログ主は資格試験(英語ではない)のためにマインドマップを使用し、今まで少なくとも数百枚はマインドマップを書いてきました。

その経験から、マインドマップは英単語の勉強に非常に有用だと確信しています。

普通の単語帳だと英単語を覚えられない

英単語学習にマインドマップがいいと聞いたけど、書き方・使い方がわからない

そのような方のために、この記事では、

  • 英単語学習にマインドマップが効果的な理由
  • 英単語を勉強するためのマインドマップの書き方
  • マインドマップを使って英単語を覚える具体的方法
  • 英単語学習に向いていない「マインドマップ」
  • 英単語の勉強にマインドマップを使う欠点

についてシェアしたいと思います。

英単語学習にマインドマップが効果的な理由

マインドマップとは

マインドマップとは

英国の教育者トニー・ブザンが開発した、自然な形で脳の力を引き出す思考技術

です。

マインドマップの特徴

マインドマップの特徴は

言語(話す・書くなど)、論理と言った左脳的な活動と
イメージ、発想、空間認識と言った右脳的な活動の両方を同時に行うと
記憶を効果的に留めることができるので、
イメージと色を使い、記憶したいことを絵画のように1枚の紙にまとめる

ところにあります。

英単語学習にマインドマップが効果的な理由

英単語学習にマインドマップが効果的な理由は

単語を色とイメージに結びつけることで、右脳と左脳を同時に働かせて、単語が記憶しやすくなる

からです。

英単語を勉強するためのマインドマップの書き方

マインドマップを書く前にすること

マップする単語をリストする

単語どうしに「意味として関連性のあるもの」がおすすめです。

例えば、当サイトでお勧めする単語の語源学習や、多読・多聴による英単語の学習です。

語源学習

語源学習は

  • それぞれの単語が語源(意味)でつながっていること
  • 語源をイメージとして覚えるのが重要なこと

から、マインドマップを使って勉強するのに向いています。

英単語の語源学習については、こちらの記事をご覧ください。
多読、多聴による英単語学習

また、多読、多聴による英単語の学習も、

  • 覚えたい英単語がストーリーとしてつながっている

ので、マインドマップを使って勉強するのに向いています。

英語多で語彙力を伸ばす方法については、こちらの記事をご覧ください。
英語多で語彙力を伸ばす方法については、こちらの記事をご覧ください。
意味のつながりがない単語

反対に、それぞれに意味の関連性のないものは覚えにくく、マインドマップにしたとしても、イラストの描いてあるカラフルな単語帳にしかなりません

よくあるアルファベット順の単語は、アルファベットという文字でつながっているだけなので、それだけだと一緒に覚えるのは難しくなります。

辞書で意味と発音をチェックする

発音も正しく覚える必要があるので、必ずチェックします。

間違った覚え方をすると、必要になった時にもう一度覚えないといけなくなり、二度手間です。

マインドマップの書き方:6ステップ

  1. A4の白い紙を横長に置く。
  2. 真ん中にふんだんに色を使って、中心となるイメージを大きく書く。
  3. 1つのテーマにつき1つ、真ん中のイメージの上から時計回りに、放射状に太い曲線の枝状の線を伸ばす。関連項目は、そこからサブの枝を曲線で伸ばし、メインの枝とサブの枝は全部つなげる。
  4. それぞれの枝には、キーワードかキーイメージを1つだけ乗せる。
  5. 全体に色を使う。色に意味を持たせるとよい。
  6. イメージ、立体的表現ができるとことは、言葉ではなくイメージを使う

英単語学習のためのマインドマップの書き方:具体例

語源学習を例に、英単語を勉強するためのマインドマップの書き方を説明したいと思います。

下のマインドマップは、ラテン語の「Fortis」(強い)と言う語源から派生する単語のマインドマップです。

英単語マインドマップ

①A4の白い紙

A4の紙

記憶したいことを1枚の紙にまとめ、全体をパッと見て把握できるようにする必要があるため、一覧できる大きさのA4程度の大きさがいいと思います。

それより小さいと情報が少なくなりますし、大きいと全体を見て覚えられません。

横長に置く

英語は横書きしかできないので、縦長に置くと、情報が細切れになること、また1枚の紙に書ける情報量が減ってしまいます。

②中心のイメージ

マインドマップ中心イメージ

中心のイメージで、そのマインドマップが何をまとめたものなのかが、すぐに分かるようにします。

Fortisは「強い」という意味なので、中央に力こぶと、派生した単語のフォルテ(音楽記号)を描きます。

③放射線状の枝

マインドマップ放射線状の枝

中央のイメージから、語源(緑の枝)、派生した単語(紫の枝)、接頭辞が付いた単語(黄緑の枝)、接尾辞が付いた単語(赤の枝)と言う、4つの太い枝を伸ばします。

なぜ放射線状の枝なのか

普段、私たちが何か考えているときは、直線的に思考が進んでいくのではなく、中心から行ったり来たりしながら、まるで脳細胞かシナプスのように、放射状に思考しています。

その放射状の思考を模したものがマインドマップなので、放射線状の枝を伸ばします。

自分でマインドマップを使って勉強してみた個人的な感想なのですが、枝はコンピュータで書いたようなつるっとした曲線ではなく、多少いびつな線の方が、記憶に残りやすい気がします。

何かの特徴がある方が、記憶にフックするからなのではと思います。

なぜ枝を全部つなげるのか

1つのテーマに付き関連することをどんどん枝を伸ばしてつなげていくので、枝は全部つなげます。つながっていない枝があると、思い出すのが難しくなります。

中心に近いほうがメインコンセプトで、先に伸びている方が詳細になります。

同じ構造(同じ形ではない)にすると、わかりやすくなります。今回の例ですと、太い枝からすぐの枝に英単語、その先に日本語訳を書いています。

なぜ時計回りか

人の目は一般的に、上から時計回りに廻っていくと、違和感がありません

違和感がないと言うだけの理由なので反時計回りでも構いませんが、目があちこちに行くような書き方は、覚えにくくなります。

④枝に1つだけ単語またはイメージ

マインドマップ枝に単語1つ

中央から伸ばした枝に、語源から派生した単語とその意味を書きます。存在する場合は、派生した単語から、さらに派生した単語も書きます。

また、ここには書きませんでしたが、発音も同時に書いておく方がいいと思います。

中央から伸ばした枝には、それぞれ単語またはイメージを1つだけ書きます。まとまったフレーズを書くより、単語(イメージ)1つの方が様々な連想を呼び起こしやすいからです。

1枝に1語(1イメージ)を守ることで、脳にしっかりと要点を把握させ、それに即して考えさせることができます。それがさらに、記憶がぶら下がるフックとなります。

⑤色を使う

マインドマップ色を使う

英単語は黒、日本語訳は灰色、伸ばした枝やイラストにも色を使います。

この例では文字にあまり色を使っていないのですが、例えば動詞は青、形容詞は黄色など、文字にも色に意味付けして使い分けると、さらにいいと思います。

色をたくさん使うのは、色は右脳に、言葉は左脳に関係しているため、色と言葉を組み合わせると、両方の脳を働かせられ、記憶を助けることができるからです。

また、色を使うと、

  • 重要なところに注意がいく
  • 理解しやすくなる
  • モノクロより勉強する意欲がおきる
  • 脳のイメージ処理能力と保存能力が高まる

と言う効果があります。

⑥イメージを使う

マインドマップイラストを使う

単語から思い浮かぶイメージを書きます。

脳は視覚情報を、文字情報の6万倍も速く処理することができます。

色と同じように、イメージを使うと、左脳と右脳、言語能力と視覚の両方をバランスよく働かせることができ、単語を記憶しやすくなります。

絵を描く目的は右脳にイメージで刺激を与えることなので、イメージが伝えたい意味が自分で分かれば、下手でもかまいません

上のイラストも上手とは言えませんね。。。

でも、自分で勉強するだけなので、構わないのです。

また、

  • イメージを大げさに誇張する
  • リズムと動き使ったイメージにする
  • 見て楽しいポジティブなイメージにする
  • 見たくなるような魅力的なイメージする
  • 突飛なつながりのイメージする

と、記憶に残りやすくなります。

マインドマップを使って英単語を覚える具体的方法

マインドマップで英単語を覚える7つのステップ

  1. マインドマップを作る
  2. 作ったその日に1回目の復習
  3. 翌日に2回目の復習。まず、マインドマップを見ないで思い出せることを描きだす。それを、作ってあったマインドマップと照合する。
  4. 3日後に3回目の復習。ステップ3と同じことをする。
  5. 1週間後に4回目の復習。ステップ3と同じことをする。
  6. 2週間後に5回目の復習。ステップ3と同じことをする。
  7. 1か月後に6回目の復習。ステップ3と同じことをする。

マインドマップを作るとき

イマジネーションをふくらませて、見直すのが楽しみになるようなものにします。

英単語学習にマインドマップを使う目的は、

単語を色とイメージに結びつけることで、右脳と左脳を同時に働かせて、単語の記憶をしやすくするため

ということを念頭に置いて、ふんだんに色とイメージを使います。

マインドマップで単語を覚えるコツ

英単語を記憶するコツ

単語を記憶するコツは、

覚えたい単語をイメージして、それを今までの記憶と関連付ける

ことです。

単語と日本語訳だけを覚えるのでは、覚えたものは単なる抽象的な概念に留まっていて、現実とつながっていません。

マインドマップのイメージ(連想)で、覚えたい単語と現実をつなげるのです。

英単語を連想する

例えば、fort(砦)、force(力)、effort(努力)、reinforce(強化する)の4つの単語をスターウォーズと関連付けてみます

ルーク・スカイウォーカーがfortの上で、forceを使えるようにライトセーバーの練習をeffortしている途中で、なぜかfortreinforceしている

という感じです。

理想的には、これをイラスト化すると、さらに覚えやすくなります(ブログ主に絵心がないため、具体的なイラストは省略)。

マインドマップと記憶の場所

記憶は、想像(イメージ)をそれぞれ関連付けて、場所と結びつけると強くなります

記憶術で「場所法」と呼ばれているもので、場所とリンクした情報は記憶に残りやすいのです。

マインドマップは、単語を色とイメージに結びつけて覚えやすくするものです。

これにさらに、

覚えたい単語どうしを結び付け、それが書いてあった場所も一枚の絵のように覚えると、記憶が強化

されます。

マインドマップで単語を復習するコツ

復習のまず最初に

マインドマップを見ないで、思い出せることを描き出す

のが重要です。

時間がない場合は、頭の中で描きだすのでもいいと思います。

マインドマップの中央のイメージを思い浮かべ、他のイメージを場所と共に思い出すと、どんな単語があったのか思い出しやすくなります。

何も見ないで思い出すことで脳に負荷をかけられるので、思い出すプロセスでも記憶を強化できます。

普通の単語帳は単語どうしに関連性がないため、復習するときに、何も見ないで思い出すことはできません。

そして描きだしたものと、実際のマインドマップを照合してチェックします。

間違っているところをもう1度見直して、きちんと覚えられるようにします。

英単語学習に向いていない「マインドマップ」とされている図

英単語学習にマインドマップを使う目的は、色とイメージ、そして単語を用いることで、右脳と左脳を同時に働かせて、単語の記憶をしやすくすることです。

スパイダー図、ピラミッド図、コンセプトマップ、フィッシュボーン図は、マインドマップとされていることがよくあるのですが、右脳と左脳を同時に使うということができないので、英単語学習には向いていません

スパイダー図

マインドマップと似ていますが、スパイダー図には必ずしも色があるわけではなく、イメージはほとんどありません

伸びている足も、通常、か細く直線的です。

ピラミッド図

ピラミッド図は階層になっていて、視線が上から下(または下から上)に直線的、固定的にしか動きません

コンセプトマップ

コンセプトマップは、丸や四角の枠に、考えや情報を表す言葉やフレーズを入れたものです。

必ずしも中央から放射状にアイディアが出てきているわけではなく、通常、色やイメージがありません

フィッシュボーン図

フィッシュボーン図は因果関係を示したもので、左から右に読む、モノクロで直線的な図です。

英単語の勉強にマインドマップを使う欠点

ここまでお読みであれば薄々お気づきだと思いますが、マインドマップを英単語学習に使う欠点は、

  1. 作るのに時間がかかる
  2. 絵心がないと書くのが難し

と言うことです。

しかし、ただの単語帳を作るのと違う利点が、マインドマップにはあります。

それは、

  1. 単語についてイマジネーションをふくらませ、連想しながら作るので、マインドマップを作る過程も、十分記憶する時間になる
  2. 絵を描くことが、単語と現実を結び付け、記憶を強化する機会になる

ことです。

上記のことから、英単語をマインドマップを使って勉強することには、欠点を十分上回る効果があると思います。

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参考文献
トニー・ブザン「マインドマップ記憶術」ディスカバー・トゥエンティワン、2009年
トニー・ブザン「新版 ザ・マインドマップ」ダイヤモンド社、2013年
トニー・ブザン「マインドマップ 最強の教科書」小学館集英社プロダクション、2018年