不可算名詞は複数形になる?Waters/moneysは正しいのか

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不可算名詞って覚えたけど、複数形になっていることがある気がする

不可算名詞は数えられないものを言うので原則複数形にはなりませんが、複数形になる場合があります。

そこでこの記事では、

  • 不可算名詞とは
  • 不可算名詞が複数形になるとき

についてシェアしたいと思います。

不可算名詞とは

不可算名詞とは

不可算名詞とは、名詞のうち1個2個…と数えられないものを言います。具体的には、

  • 固有名詞:特定の人/事物の名前
  • 物質名詞:例えば鉄などの物質
  • 抽象名詞:概念
  • 集合名詞の一部:同じ種類のものの集合体

が不可算名詞です。

不可算名詞の特徴

不可算名詞は数えられないことから、以下の特徴があります。

  1. 原則、複数形にならない
  2. 不定冠詞「a」は付けない(”a”は数えられる可算名詞にしか付けらない)
  3. 数詞は直接付けない(数えられないので)

不可算名詞は複数形になる?

不可算名詞が複数形になるとき

不可算名詞は数えられないものを言うので原則複数形にはなりませんが、複数形になる場合があります。その場合とは、

  1. 強調の意味で使われるときに、不可算名詞のまま複数形になる
  2. 特定の場合に普通名詞化して複数形になる
  3. 学術的な書物では、ある効果を狙い、集合名詞を複数形にすることがある

です。

以下で詳しくご説明します。

強意の複数形

程度が強いこと、また広がりや連続を強調するために、普通は複数形にしない抽象名詞・集合名詞を複数形にして用いることがあります。通常では使わない表現を使うことによって、意味を強調することが狙いです。

気象に関することと人の気分に関する抽象名詞に多く使われます。具体例は以下です。

気象に関するもの
  • skies(clear skies)
  • snows(heavy snows)
  • rains(heavy rains)
  • clouds(gray clouds)
  • mists(thick mists)
人の気分に関するもの
  • thanks(ありがとう)
  • regards(よろしく)
  • congratulations(おめでとう)
  • doubts(疑念)
  • guts(勇気)
  • hopes(期待)
その他
  • waters(水域)
  • sands(砂丘)

不可算名詞の普通名詞化

抽象名詞で個別的な性質・種類を表す時、また集合・物質名詞で食べ物を表す時は、不可算名詞が普通名詞化することがあり、それが複数の場合は複数形になります。

抽象名詞→普通名詞

抽象名詞で個別的な行為や事柄、種類などを表す場合は、複数形になることがあります。

  • successes(series of successes)
  • views(his views)
  • virtues(her virtues)
  • achievements(their achievements)
集合・物質名詞→普通名詞

通常は不可算名詞として集合や物質を表すもののうち、別々の1つのものとして理解できるものがあります。食べ物や飲み物には特に、このように機能する名詞が多くあります。

  • foods
  • drinks
  • coffees
  • teas
  • fruits
  • breads

学術書における集合名詞の複数形

学術的な書物では、ある効果を狙って数えられない集合名詞を複数形で用いることがあります。この使用法は、文章にフォーマルなトーンを与えることや、標準的な言い方との違う言い方をすることで、その単語に注意を向けることを目指して行われます。

例えば、以下の単語を複数形で用います。

  • knowledges
  • literatures
  • musics

お金と水、宿題は不可算名詞?

Money/Monies

「Money」は不可算名詞ですが、特別な場合には複数形になります。Moneyの複数形は「monies/moneys」ですが、最近では「monies」の方が一般的です。

複数形のmoniesは「ある金額のお金の合計=資金」の意味で、用いられるのはほぼビジネスの場面に限られます。

I am responsible for handling fees and other monies of this account.
私はこの口座の手数料および資金を管理する責任がある

These monies represent about 10% of the committee funds.
これらの資金は、委員会の基金の10%を占める

Water/waters

water/watersはどちらも、「the water(s) of Lake Biwa」(琵琶湖の水面)のように、水の集まっている広い水面(特定の水域)を表すために使えます。 しかし、ニュアンスには微妙な違いがあります。

単数の「water」は、少量(コップ1杯の水)でも大量(海の水)でも一般的にあらゆる水に使え、単なる水面を表します。

これに対し複数形の「waters」は、特に広い水面(=水域)を表します。また、ニュアンスはより正式、または文学的です。

  • international waters(公海)
  • the azure skies and clear waters of the Pacific(紺碧の空と太平洋の澄んだ水)

Homework/homeworks

「Homework」は不可算名詞ですが、日常会話では複数形の「homeworks」と言うことがあります。集合体としての飲食物が別々の1つのものとして理解できるのと同じ感覚で、「先生に与えられたやらなくてはならないもの」の集合体であるhomeworkが、1つ1つのものとして理解できると考えてのことです。

この使い方はスタンダードではないため書く時には使えず、通常は「assignment」を使います。

You’re missing two of the homeworks given by the teacher.
先生からの宿題の2つをやり忘れている

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「Dataはis?are?ネイティブの回答」(リンクはこちら

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参考サイト・文献
Merriam-Webster(リンクはこちらこちら
Britannica(リンクはこちら
「ロイヤル英文法」旺文社

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