イギリス英語を聞いているとき、Rを発音していないときがある気がするけど、ルールがあるのかな?
と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、イギリス英語で、
- Rを発音するとき
- Rを発音しないとき
- 発音しないRが現れる例外
についてシェアしたいと思います。
イギリス英語のRは母音を伴わない限り発音しない
イギリス英語(RP)では、母音を伴わないRは発音しません。
これには例外はないので、非常にわかりやすいと思います。
※RPについては記事の一番下をご参照ください。
発音しない:語尾のR
英語は外来語でない限り、通常単語が母音で終わることはないので、語尾に付いているRは発音しません。
また、単語の最後のE(例えば、more, pureなどのE)は「サイレントE」と呼ばれていて発音しないので、語尾がREで終わる場合もRは発音しません。
発音しない語尾のRの例としては、paper, hereなどがあります。
発音しない:単語の途中のR
また、単語の途中にあるRも母音を伴わない限り発音しないので、例えばpark, wordのRは発音しません。
発音する:母音と一緒のR
例えば、red, rabbit, road, moral, interimなどは母音を伴っているので、Rを発音します。
発音するRの注意
注意が必要なのは、Rと「一緒の母音」と言うのは音であってスペルではないと言うことです。
例えばrhythm(リズム)の「rhy」のH、rhinoceros(動物のサイ)の「rhi」のHは発音しないHです。そのため、Rは/ɪ/、/aɪ/の母音を伴っているということで、発音されることになります。
他に普段見かける単語で注意が必要なのは、
- rhapsody(ラプソディー)
- rhetoric(レトリック)
- rye(ライ麦)
があり、これらのRは発音します。
発音しないRがある場合、どういう発音になるのか
日本語の伸ばした音「~」のようになるか、あいまい母音「ə」になります。
(あいまい母音の発音の方法について詳しくは、こちらの記事をご参照ください。)
発音記号 |
例 |
ə | guitar, paper, water, doctor |
ɜː | shirt, her, word, further, pearl, serve |
ɔː | fork, board, pour, horse, sword, award |
ɑː | far, part, clerk, memoir, |
ɪə | beer, beard, fear, pierce, here |
ʊə | sure※, tour, obscure |
eə | where, wear, chair, dare, stare, there |
aʊə | hour |
※/ʃɔː/と発音する人も多い(shoreと同じ発音)。
発音するRと発音しないRの例文
赤字が発音しないRで、青字が発音するRです。
- Her father drinks beer on the rocking chair.
- Where can I wear this beautiful shirt and dress?
- Are you ready to go far into the woods?
- I realized I have seen her playing the guitar before.
イギリス英語だと、発音するRはだいぶ少なくなるのがわかると思います。普通、日本人を含むアジア人はRの発音が苦手なので、Rに関してはイギリス英語の方が発音しやすいかなと思います。
発音しないRが現れる例外
リンキングR
リンキングRとは、イギリス英語(RP)において、単語の最後がRで終わり、そのRが母音に挟まれている場合に、発音されない単語の最後のRが、次の単語にリンクして発音されることを言います。
イギリス英語(RP)でも、必ず起きるわけではありません。
Her English is good.(発音する)
Her French is good.(発音しない)
My sister always calls me on my birthday.(発音する)
My sister lives in Tokyo.(発音しない)
侵入のR
「侵入のR(”intrusive R”)」とは、イギリス英語(RP)で、単語が/ə/, /ɑː/, /ɔː/の音で終わるときに、文字としてのRがないのにRが発音されることを言います。
イギリス英語(RP)でも必ず起きるわけではなく、アメリカ英語では普通起こりません。
The media are meant to be for people. (/mːdɪəraː/)
It is a question of law and order. (/lɔːrənd/)
I saw it happen. (/sɔːrɪt/)
英語では母音が続く音は発音しにくいので、どこからともなくRが現れます。
この2つの例外は必ず起きると言うわけではないので、意識して自分が話すときに言えるようにする必要はないかなと思います。
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※RP(Received Pronunciation):公共放送BBCのアナウンサーが使っていることから「BBC English」とも呼ばれている、イギリス英語の「標準的」発音のこと。RPは日本語の標準語(東京方言)と違い、実際に普段からRPで話している人は人口の3%ほどしかいないと言われている。外国人がイギリス英語として学ぶのはこのアクセント。
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参考文献
M. Celce-Murcia, et. al, Teaching Pronunciation, Cambridge University Press, 1996.