英語の勉強を始めたけど、すごく難しい!
そんなことを思っている方のために、この記事では、日本人にとって英語が難しい理由を
- 日本語との距離
- 文化・習慣の違い
- 英語はバラエティが豊富
と言う3点にわけて、シェアしたいと思います。
日本語と距離がある
外国語を学ぶ場合、母語と似たような言葉であれば比較的簡単に学ぶことができます。例えば、日本語と韓国語は近い言語なので、日本人にとって韓国語を学ぶことは比較的難しくありません。
これに対し、下の図の通り、日本語と英語は相当距離のある言葉なので、日本人にとって英語を学ぶのはだいぶ難しくなります。
出典:H. Skirgard, et.al, “Why are some languages confused for others? Investigating data from the Great Language Game“, Plos One, April 2017. (fig.5) 作者改
日本語と英語の距離があることによって、日本人は、
- 文法が全く違う
- 書くのが難しい
- 発音する/聞き取るのが難しい
と言う問題に直面します。
文法が全く違う
英語と語順が違う
日本語は
主語+目的語+動詞
と並ぶのですが、
英語は、
主語+動詞+目的語
と並びます。
英語は語順が固定している
日本語の場合、比較的柔軟に語順を変えることができ、語順を変えて多少不自然になったとしても意味がわかります。
これに対し英語の語順は厳密に決められており、勝手に変えると意味がわからなくなったり、全く違う意味になってしまったりします。
例えば、日本語で「私は歩いてスーパーに野菜を買いに行った」と言う文章は、以下のように並び替えても全く同じ意味になります。
私は
- 野菜を買いにスーパーに歩いて
- 歩いて野菜を買いにスーパーに
- スーパーに歩いて野菜を買いに
行った。
これに対し英語では、
I walked to the supermarket to buy vegetable.
で、語順を変える柔軟性はあまりありません。
語順が決まっているので、文法をきちんと身に付けないと、通じなくなってしまします。
書くのが難しい
英語は発音とスペルが一致しない
歴史的な経緯から、英語は発音とスペルにかなり違いがある言葉です。同じ発音なのに違うスペルになったり、違うスペルなのに同じ発音だったりすることがあります。
- 同じ発音なのに違うスペル:piece と receipt
- 同じスペルなのに違う発音:believe と friend
ネイティブでもわからなくなるほど複雑なので、日本人にとっては余計難しくなります。
「英語のスペルは覚えなくていい」(リンクはこちら)
英語は句読点のルールが決まっている
日本語の句読点は「、」「。」の2種類で、これに引用符があります。文章の最後には「。」を使うのですが、「、」は読みやすいように付けるのがいいとされるだけで、厳密な文法的ルールはありません。
これに対し英語の句読点は次のように10種類以上あり、どのように使用するか厳密に決められています。ですので、きちんとルールを身に付けないと、書くことができません。
- , (コンマ)
- . (ピリオド)
- ? (疑問符)
- ! (感嘆符)
- : (コロン)
- ; (セミコロン)
- ‘ (アポストロフィ)
- – (ハイフン)
- ― (ダッシュ)
- “” (引用符)
句読点の使い方(リンクはこちら)
発音する/聞き取るのが難しい
英語は音がかなり多い
日本語に比べると、
英語は音の要素の数がかなり多い言葉
です。音をどう解釈するかにより数え方が多少異なりますが、日本語と英語の音の要素の数は以下のようになります。
母音 | 子音 | 合計 |
|
英語(A) | 20 | 24 | 38 |
日本語(B) | 5 | 14 | 19 |
A-B | +15 | +10 | +25 |
上の表からもわかる通り、英語は日本語に比べて、母音と子音の数が合わせて25個も多くなります。ある程度大人になってから音の違いを聞き分けて発音を身に付けるのは、非常に難しくなります
英語は書いてある通りに話されない
日本語はおおよそ書いてある通りに発音される言葉ですが、
英語は単語を単独で発音する場合と、話しているときに単語を次々と発音する場合で大きな違いがある言葉
です。
連続発話または連続発音と呼ばれているもので、単語と単語のつながりの音が一部脱落したり、ない音が挿入されたり、つながりの音が同化したりします。
このため、音の要素を聞き分けるだけではコミュニケーションをとることができません。
「英語が聞き取れないのはなぜ?知っていても聞こえない理由」(リンクはこちら)
文化・習慣が違う
表現が違う
日本と英語が話されている国は文化・習慣が違うので、英語にはあるけれど日本語にはない表現や、日本語にはあるけれど英語にはない表現があります。
例えば、ビジネスでよく使われる「お疲れ様」や、「お世話になっています」などの表現は英語にはありません。
逆に英語で、誰かが亡くなった時や失敗したとき、別れた時に相手に言う「I am sorry.」は日本語にはない表現です。
文化・習慣の違いからくる表現の違いがあるため、単純に言葉を学ぶだけでは足りないところが英語を難しくします。
敬語が違う
日本語の敬語は体系化されていて、動詞を変えたり人称を変えたりすることによって成立します。
これに対し英語には日本語のような複雑な敬語はなく、フォーマルさのレベルは、使う語彙や表現を変えたりすることで表します。厳密なルールがないぶん、職場などで英語を使う場合は、日本人にとって難しくなります。
英語にはバラエティが多い
英語は元々イングランドで話されていた言葉ですが、そこからアメリカ、オーストラリアなどで話されるようになり、現在では、英語を公用語としている国が世界に50か国以上あります。
それぞれの国や地方によって、表現の方法や語彙が違ったり発音が違い、この国の英語が標準的/正しい英語だと言うものはありません。
そのため、1つの国の英語を学ぶだけでは実際にコミュニケーションをとるのには足りない場合があります。
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