簡単そうでよくわからない、英語メールの宛名の書き方。
この記事では、詳しく、
- 英語メールのフォーマット
- 英語メールの宛名の書き方
- 英語メールの宛名に関する疑問
についてシェアしたいと思います。
英語メールのフォーマット
英語メールのフォーマットはどこから来たのか
英文メールのフォーマットは、英語の手紙のフォーマットから発展したものです。
以下の画像は、左側が手紙のフォーマット、右側がメールのフォーマットです。
画像からわかるように、手紙にあってメールにないものは、
- 差出人と受取人の住所(メールアドレスに替わった)
- 受取人の役職、部署、会社名
- 手書きのサイン
です。
ビジネスレターとメールの類似性
以下の画像は、手紙のフォーマットがメールのフォーマットのどこにあたるのかを示したものです。画像からわかるように、手紙とだいたい同じ情報がメールにもあります。
また、点線より下の自分でタイプする内容の部分は、手紙とメールのフォーマットにあまり違いがありません。(メールでは最後の署名部分に、自分の役職や会社名を書くことはあります。)
英語メールの宛名の書き方
宛名の書き方
メールのフォーマットは、手紙のフォーマットから発展したものなので、手紙と同じく、ビジネスメールの宛名には、「Dear+Mr./Ms.姓+コンマ/コロン」と書きます。
例えば、以下です。
- Dear Mr. Smith,(イギリス式はコンマ)
- Dear Mr. Smith:(アメリカ式はコロン)
宛名はどこに書くのか
宛名は、自分で書く本体部分の一番初めに書きます。
英語メールの宛名に関する疑問
宛名に「Dear」は必要なの?
英文ビジネスメールで宛名に「Dear」を付けるのは、会ったことのない人か、もしくはきちんと関係を構築できていない人に書く場合です。「Dear+姓」は丁寧な印象を受けるので、あまり親しくない人に使います。
ビジネスの関係が構築できているのであれば、Dearを付けない「Mr. Smith」と言う宛名でも失礼だと思われることはありません(ビジネスライクな印象です)。
そもそも宛名は必要なの?
こちらから最初にメールを書く場合、またはビジネスの関係ができていない場合は宛名を書く必要があります。
しかし、相手に返信する形で何度もやり取りを続けている場合は、メールがどんどん長くなってしまうこと、また誰に宛てて書いているかは明白なことから、宛名を書いていない場合も多くあります。
宛名に苗字と名前の両方(フルネーム)は必要ないの?
英文ビジネスメールの宛名には、苗字と名前の両方を書くことはありません。英文の手紙の宛名でも苗字と名前の両方は書かないため、それにならってメールでも書きません。メールで苗字と名前の両方書くと決まったパターンにあてはまらないので、むしろインフォーマルになってしまいます。
英文ビジネスメールの宛名は、
- Dear Mr. Smith(Dear+Mr./Ms.+姓)
- Mr. Smith(Mr./Ms.+姓)
- John(名だけ…親しい場合のみ)
の3パターンです。
宛名にファーストネームは使えるの?
通常のビジネスの関係では、メールの宛名にファーストネームを使うことはありません。
宛名にファーストネームを書けるのは、相手がファーストネームで呼び合う習慣を持った人に宛てる場合に限られます。英語圏と言っても様々な習慣を持った人がいるので、ファーストネームで呼ばれるのに違和感を感じる人がいる可能性も十分にあります。
また業界ごとに、ビジネスに関する慣行が違います。例えば、法律・金融関係などは固く、最先端のIT系はやわらかいイメージなので、それによってファーストネームで呼びかけていいかも違います。
目安として、宛名にファーストネームを書けるのは、
- 相手がこちらをファーストネームで呼んだ場合で、おおよそ対等な関係の場合
- 特に親しいと確信できる場合
です。
宛名の後はコンマ、コロンのどっち?
宛名の後は、アメリカ式ならコロン(Dear Mr. Smith:)、イギリス式ならコンマ(Dear Mr. Smith,)を使用します。
アメリカ式の手紙のフォーマットでは宛名の後はコロン、イギリス式の手紙のフォーマットでは宛名の後はコンマなので、メールもそれに準じています。
ただしアメリカでも、就職・転職など正式な書き方で書かなければならない場合を除いて、宛名の後にコンマを使用することも多く見られます。ですので、通常のビジネスのやりとりであれば、アメリカ人に対するメールでも、宛名の後にコンマを使うことができます。
受取人が何人かいる。宛名はどうすればいいの?
受取人が何人かいる場合は、宛名は役職が高い方から、敬称付きで苗字を並べて書きます。
例えば、以下の通りです。(スミス氏は部長、ドナルド氏は課長、マニング氏は次長の場合)
Dear Ms. Smith, Mr. Donald and Mr. Manning,
役職がわからない場合は、苗字をアルファベット順に並べて書きます。
Dear Mr. Donald, Mr. Manning and Ms. Smith,
宛名に、会社名・所属部署・役職は必要なの?
英文ビジネスメールの宛名には、会社名、所属部署、役職は必要ありません。英語の手紙の時には書くのですが、メールの場合は書きません。(上の画像を参照ください。)
相手が女性の場合、Ms., Miss, Mrs.のどれを使えばいいの?
メールを受け取る相手が女性の場合は、「Ms.」を使用します。
「Miss/Mrs.」は結婚しているか/いないかで女性の呼称を分けるものなので、現在の、特にビジネスの環境で使用するのは、非常に不適切になります。相手の婚姻状況を知っていたとしても、常に「Ms.」で通します。
相手の性別がわからない。敬称はMr./Ms.?どうすればいいの?
相手の性別がわからない時は、「Dear John Smith」のように敬称は使わず、代わりにフルネームを使用します。
通常、宛名には姓だけ/名だけを使うのですが、相手の性別に確信が持てない時は、例外的に姓名の両方を書き、敬称を省略します。
受取人の名前がわからない。宛名はどうすればいいの?
受取人の名前がわからない時の宛名は、以下のようにします。
- Dear 役職(例:Dear Hiring Director)
- Dear 部署名(例:Dear Human Resources)
- Dear 会社名 Team(例:Dear ABC Co. Team)
- Dear 役割(例:Dear Recruiter)
- To the 会社名 Team(例:To the ABC Co. Team)
- To the 役割 Team(例:To the Recruiting Team)
「Dear…」より「To the…」の方が事務的なニュアンスがあります。
To whom it may concern
「To whom it may concern」(関係者各位)は、手紙に使われていた、相手の名前がわからない場合の宛名です。仕事でメールを書き、その返事が欲しい場合は、「自分には関係ない(関係者じゃない)」、または「誰かが返事してくれるだろう」と思われ返事をもらえない可能性があるので、使わない方が無難です。
もちろん、サポートデスクなどに一般的な質問をする場合は、「To whom it may concern」を使えます。
Dear Sir or Madam
「Dear Sir or Madam」は、手紙に使われていた伝統的な宛名です。男性か女性にジェンダーを分ける呼称なので、現在のビジネスの環境で使用するのは不適切になる可能性があります。ですので、できれば避けた方が無難です。
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