EF SET対策の考え方
EF SET(EFスタンダード英語テスト)とは、EF Education First社(1965年設立・本社スイス)が提供する、非ネイティブスピーカー向けの英語力測定テストです。
このEF SETは、特定の試験対策をとるのが難しい試験です。なぜなら、
- 試験問題と解答が公表されていないので、テストを詳細に分析できない
- 特定の分野にフォーカスした英語能力を測るわけではないので、TOEIC(仕事)やTOEFL(学問)のように、その分野の英語に絞った試験対策をすると、その分スコアが伸びると言うようなテストではない
からです。ただし、試験の形式に慣れることで、多少スコアが改善する余地はあります(おそらく限定的です)。
要するに、
全体的な読む・聴く英語能力を上げないとスコアをアップすることができないので、短期間に急激にスコアを上げることは難しい
と思われます。残念ながら(?)、地道な英語学習が必要と言うことになります。
「EF SETとは:TOEICとの比較で詳しく解説」(リンクはこちら)
EF SET対策の具体的方法
当ブログでは、英語能力をアップするために英語多読と多聴をお勧めしているのですが、EF SETの公式サイトでも以下のように、この試験の対策には英語を読む・聴くことが必要と言っています。
- リスニング力を向上させるために、英語の映画やラジオ、ブロードキャスト、テレビを活用する
- リーディング力を向上させるためには、英文を読む以外の最良の方法はない。新聞や雑誌、書籍は全て、リーディング教材となる
また、興味のあるテーマを見つけて、語彙を増やすことも必要としています。
語彙力アップ
EF SETのスコアアップには地道な英語学習が必要なのですが、その中でも単語は言葉の意味を伝える中心になるものなので、語彙学習は非常に重要になります。
基礎単語のリスト
EF SET対策には、まず英語の基礎単語を押さえる必要があります。そのためには、英語の基礎単語をまとめたリスト(NGSL)を学ぶといいのではないかと思います。
基礎単語のリスト(New General Service List(「NGSL」))とは、言語学者のブラウン他が英単語2億7300万語を調べ、そのうち最も使用されている英単語約2800語をリスト化したものです。これで英語で書かれているテキストの92%をカバーしています。
中学高校で学ぶ英単語の数は3000程度なので、それよりも少なくなります。
英語の基礎単語リスト(NGSL)のダウンロード
基礎単語のリストはこのリンクからフリーでダウンロードすることができます(エクセルファイル)。
英語の基礎単語を学ぶアプリ
NGSLリストの単語を学べるフリーの専用アプリ「NGSL Builder 日本語版」(Android/iOS)があります。フラッシュカード形式になっていて発音も学べ、学習状況を把握できる機能も付いています。
英語の基礎単語を学ぶ本
英語の基礎単語を本で勉強したい方は、こちらがおすすめです。約4000の例文が、すべてクイズ形式で学べます。
読む・聴く能力をアップ
なぜ、EF SET対策に多読・多聴が必要?
英語の運用能力を全体的に向上させるには、英語の多読と多聴が必要です。
最新の第二言語習得論の科学的知見によると、言語の習得の多くは、インプットを理解することにより起こります。英語を学ぼうとする場合は、英語の意味=メッセージを理解する、つまり読んだり聞いたりするインプットが言語習得を進める(=英語の運用能力を向上)うえで絶対に必要な条件です。
英語の本を多聴するには、Amazon Audible(1,500円/月)がおすすめです。12万冊以上の本が聞き放題で、オフライン再生も可能です。通勤時間などの隙間時間に聞くのに最適です。30日間の無料体験あり。
多読・多聴の注意点
英語多読・多聴をするにあたっての注意点は、以下になります。
- 読んだり聴いたりしているものの意味を、全体的に理解することを目指す
- 辞書を使わずに理解できる程度のものを使う
- 自分の興味のあるものにする
- とにかく大量に読んだり聴いたりする
「英語多読と多聴ー英語力アップにはどっちがいい?」(リンクはこちら)
日常で使われている英語を学ぶ
EF SETは一般的な英語能力を測るテストのため、普通の英語の勉強で学ぶような仕事や学校で使うきちんとした英語だけでなく、日常で使われる英語も学ぶ必要があります。特に、
- 日常会話でよく使われる言い回し
- 話し言葉特有の発音
も押さえる必要があります。これらは、書き言葉では通常「正しくない英語」とされることも多く、読むことで学ぶことは難しいので、英語の日常会話が聴けるような映画やポッドキャストなどを活用することをお勧めします。
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