英語多読の効果:何ができるようになるの【驚きのメリット】

英語多読の効果 勉強法
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英語多読の効果は、単に読む力の向上だけではありません読むというインプットが英語力全体を底上げすることで、思いがけない効果を生むのです。

そこでこの記事では、詳しく、

  • 英語多読でどのような英語力アップが期待できるか

についてシェアしたいと思います。

まとめ

英語多読の効果は、

  • 英語の回路を作る
  • 文法力の向上
  • 語彙力の向上
  • 読む力の向上
  • 書く力の向上
  • 聴く力の向上
  • テストの点数の向上

です。

英語多読の効果とは

英語の回路を作る

英語の本を多読することによって、

頭の中に、英語の回路=英語の「予測文法」を身につけることができる

ようになります。

予測文法とは、言語において、次にどのような語が来るかを無意識的に予測する能力のことを言います。

人は話を聞くときに、話しの流れを無意識に予測しながら理解しています。その能力が、言葉の理解力を左右し、話す能力のベースにもなります。

このような予測文法は、読むまたは聴くというインプットを大量に取り込むことによってはじめて身に付く能力です。

参考記事
「社会人の英文法の勉強法:文法学習に読む聴く書く話すの全部が必要な理由」(リンクはこちら

文法力の向上

英語の本を多読することによって、

無意識下に、正しく自然な英語が身に付けることができる

ようになります。

最新の第二言語習得論の科学的知見によると、言語の習得の多くは、インプットを理解することにより起こります。

英語を学ぼうとする場合は、英語の意味=メッセージを理解する、つまり読んだり聞いたりするインプットが言語習得を進めるうえで絶対に必要な条件です。

文法の参考書や問題集などで勉強することによって学んだことが「意識的に理解した」状態に留まっているだけでは、言葉を自由に扱うことはできません

そして、文法を含め、言語の知識には意識的には習得できないものが多く含まれているため、多読のようなたくさんのインプットが必要なのです。

ただし、何となく英語の本をたくさん読んでいるだけで、正しい文法が自然に身に付くというわけではありません

詳しい方法については以下の記事でシェアしていますので、ご興味があればご参照ください。

参考記事
「社会人の英文法の勉強法(考え方編)」(リンクはこちら
「社会人の英文法の勉強法:文法学習に読む聴く書く話すの全部が必要な理由」(リンクはこちら

語彙力の向上

英語の本を多読することによって、

日本人の大人でも、読むことを通して語彙力を伸ばすことができる

ようになります。

多読をしている中で未知の単語を偶発的に覚え、語彙力を伸ばすことができるのです。

ただし、たまたま知らない単語に触れただけで、それを全部覚えることはできません。

単に読んで触れるだけでなく、忘れないうちに何度も繰り返し同じ単語に触れたり、単語の意味や用法を調べるなどの意識的な習得も同時にすることで、記憶を鮮明にする必要があります。

詳しい方法については以下の記事でシェアしていますので、ご興味があればご参照ください。

「社会人の英語多読で超語彙力」(リンクはこちら

読む力の向上

英語の本を多読することによって、

英語を読むスピード、英語のメッセージを理解する能力を伸ばすことができる

ようになります。

多読によって英語を読むことに慣れるため、読むスピードを上げることができます。

英語を読み慣れていないと、書いてあることが何を意味しているのかしばらく考えないと理解できないので、読む時間がかかります。見慣れない単語や表現があると、読み返したりするため、さらに時間がかかります。

多読を進めていくと、一つ一つの単語や表現ではなく、物語全体として英語の内容(メッセージ)を理解できるようになってくるので、読むスピードが上がります。

そして、メッセージを理解する力が上がることで、知らない単語や表現が何を意味しているのかを正しく推測できる能力も身につけることができます。

書く力の向上

英語の本を多読することによって、

英語を書く力を伸ばすことができる

ようになります。

英語を書くには、書いてあることをニュアンスを含めて読み取る力と、書いてあることに対して的確な返答を書く能力の両方が必要です。

英語を多読し、多くのバラエティに富んだ表現に触れることで、その両方の能力が磨かれます。

聴く力の向上

英語の本を多読することによって、

英語を聞く力を伸ばすことができる

ようになります。

学校での英語の学習は、文法を習い、文章の構造を「理解」します。そして、英語を構文のパターンに当てはめて機械的に日本語に訳し、アウトプットされた日本語で内容を理解するのです。

この方法では、人が話すのを聞いた時に、頭の中で構文のパターンにあてはめて訳さないと理解できないため、特に話が長くなった場合にすぐには理解できません。

聞いたことを覚えていられなければ、

話しの後半は何だったかな…?

となりかねません。

多読では、日本語に訳して理解するのではなく、英語の内容(メッセージ)をそのまま理解するように読むので、リスニングをした時にそのまま理解できるようになるのです。

ただし当然ながら、聴く練習を全くしないで多読をしただけでは、リスニング力の向上は望めません

参考記事
「英語の区切り、リズム・イントネーションの練習方法」(リンクはこちら

テストの点数の向上

英語の本を多読することによって、TOEICや英検などの、

テストの点数をアップすることができる可能性

があります。

読書のスピードが上がるので、リーディングセクションで時間が足りないと言うことがなくなります。TOEICでは特に、リーディングセクションのボリュームが多く、時間があれば解ける問題も、時間が足りないために解けなかったと言うことが起こりがちです。

また、リスニングセクションも、聴いたことをそのまま理解できるようになれば、ある程度余裕をもって問題を解くことができます。

多読は直接の試験対策ではないですが、全体的な英語力をアップすることで、スコアを向上させることができる可能性があるのです。

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参考記事
「社会人の英語多読で超語彙力」(リンクはこちら
「社会人の英語多聴で楽しく語彙力を伸ばす方法」(リンクはこちら
「多読に最適!Graded Readresのおすすめ出版社一覧」(リンクはこちら
「社会人の英文法の勉強法(考え方編)」(リンクはこちら
「英語の区切り、リズム・イントネーションの練習方法」(リンクはこちら

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参考文献
I.S.P. Nation, Leaning Vocabulary in Another Language, Cambridge University Press, 2001.
白畑和彦編、「英語習得の常識、非常識」、大修館書店、2004年
高瀬敦子、「英語多読・多聴指導マニュアル」、大修館書店、2010年
白井恭弘「外国語学習の科学」、岩波新書、2008年