TOEICパート2はリスニングセクションの四分の一を占め、がんばれば初心者でも満点を目指せるパートです。
そこでこの記事では、
- TOEICパート2の設問パターン別出題割合
- 設問パターンごとの詳細な正解の見つけ方
についてシェアしたいと思います。
TOEIC パート2の概略
TOEICパート2は、
- 問題:25問(リスニングセクションの25%)
- 形式:1つの設問に対し3つの選択肢がそれぞれ1度だけ放送され、最もふさわしい答えを選ぶ形式
です。
TOEICパート2の設問パターン
TOEICパート2の設問パターン
TOEICパート2の設問のパターンは3つあります。
- 質問
- 提案等
- 事実の陳述
1の質問は、主に
- WH疑問文
- Yes/no疑問文(含む否定疑問文、付加疑問文)
- 選択疑問文
で聞かれます。
TOEICパート2の設問パターン別出題割合
「公式TOEIC Listening & Reading問題集7」に収録されているテスト2回分(=パート2計50問)を分析した結果、パート2の設問パターン別の出題割合は以下です。
1 | 質問 | 40問 | 40問のうち WH疑問文:23問 Yes/no疑問文:14問 選択疑問文:3問 |
2 | 提案等 | 6問 | |
3 | 事実の陳述 | 4問 | |
計50問 |
質問形式の設問が8割と圧倒的に多いのですが、提案等と事実の陳述も計2割とそれなりに多く、ハイスコアを目指すためには落とすことができません。
TOEICパート2の攻略法:「質問」の場合
設問が「質問」の場合の解き方
設問が質問の場合は、
- WH疑問文
- Yes/no疑問文(含む否定疑問文、付加疑問文)
- 選択疑問文
で聞かれます。以下で、それぞれについての解き方ご説明します。
WH疑問文
疑問詞
WH疑問文は、「誰」「何」などを訪ねるときに用いられる文で、使われる疑問詞は以下の7つになります。
疑問詞 | 意味 | 尋ねる内容 |
Who※ | 誰 | 人 |
Which | どれ・どちら | 人、物 |
What | 何 | 物 |
When | いつ | 時 |
Where | どこ | 場所 |
Why | なぜ | 理由 |
How | どのように | 方法、手段、状態 |
※疑問詞「Who」の所有格の「Whose」(誰の)も出題される
上記のうち、Howは以下のように形容詞(副詞)と組み合わせることで、様々なものの程度を聞くことができます。
- how far(距離)
- how fast(速さ)
- how high(高さ)
- how large(大きさ・広さ)
- how long(長さ)
- how many(数)
- how much(量・程度・価格)
- how often(頻度)
- how old(年齢)
WH疑問文の解き方
WH疑問文は原則として疑問詞が文頭にくるため、文頭を聞き逃すと答えることができません。例えば、以下の設問は文頭の疑問詞以外は同じ文章ですが、答えは全く違うものになります。
設問
A)Who was in the room?
B)What was in the room?
選択肢
1)At nine A.M.
2)A table, a chair and a shelf.
3)Mr. Smith was.
AのWhoの質問は「誰が部屋にいたのか」を聞いているので、答えは原則として人に関するものになります。ですので、「スミス氏がいた」と言う選択肢の3が正解です。
これに対し、BのWhatの質問は「何が部屋ににあったのかを聞いている」ので、答えは原則として物に関するものになります。ですので、「テーブル、椅子、戸棚があった」と言う選択肢の2が正解です。
WH疑問文の解き方のTIPS
1.Yes/noで始まる答えは不正解
WH疑問文にはyes/noでは答えられないので、yes/noで始まる答えは不正解です。選択肢の初めに”yes”または”no”が聞こえたらそれは不正解なので、後半部分は聞く必要がありません。
2.文章の後半が聞き取れなくても正解が推測できる
WH疑問文は文頭さえ聞き取れれば、疑問詞以外の文章の後半が聞き取れなくても、消去法から答えを推測することができる可能性があります。
例えば「Who」で始まる質問の答えは原則「人」に関することなので、まず人に関する答えを聞きながら探します。その上で、場所や時間についての選択肢は不正解なので消去します。選択肢3つのうち2つを除くことができれば、文章全体の意味がわからなくても、残ったものが正解になります。
Yes/no疑問文
Yes/no疑問文には、
- 一般疑問文
- 否定疑問文
- 付加疑問文
があります。
一般のyes/no疑問文
WhatやWhoなどの疑問詞を使わず、yes/noで答えられる疑問文が一般のyes/no疑問文です。例えば、以下の単語で始まるものです。
- Is/are/was/were…?
- Do/does/did…?
- Have/has…?
Yes/no疑問文の解き方
Yes/no疑問文は、
- WH疑問文と違い、文章全体が理解できないと回答できない
- “Yes”または”no”で答えることができる
と言う特徴があります。
そして、TOEICパート2のYes/no疑問文で注意しなくてはならないのは、
- Yes/noを言わずに同意や否定を表すことがある
- Yes/noではなく、「多分」「知らない」「ごめん。でも…」など質問に直接答えないことがある
と言うところです。普通の会話においてもはい・いいえだけでなく、様々な回答が考えられるからです。
ですので、
です。
Yesの代わり
以下は”yes”の代わりに同意を伝えるもので、ニュアンスに違いはありますが、「はい」「ええ」と言う意味になります。
- Sure.
- No problem.
- OK.
- Of course.
- (Sure,) why not?
- Definitely.
- Absolutely.
- Certainly.
- By all means.
Noの代わり
以下は”no”の代わりに否定を伝える表現で、直接的ではなくやんわりと同意できない/否定したい場合に使われます。ニュアンスは、「そうじゃないと思う…」「~じゃないといいんだけど…」「ごめん、ちょっと~」と言う感じです。
- I don’t think so.
- I hope not.
- I’m afraid not.
- Thank you, but…
- (I’m) sorry, but…
- I’m afraid (but)…
- I appreciate you asking but…
その他あいまいな答え
TOEICパート2では、yes/no疑問文に直接の回答をしない場合がしばしばあります。このようなお茶を濁す表現の代表的なものは、以下になります。
- I’m not sure. / I don’t know (for sure).(わかりかねます)
- That’s what I heard.(そう聞いたけど)
- As far as I know.(知る限りでは)
- Maybe. / Perhaps. / Probably.(多分)
- Actually, …(実は→この後に新しい事実を言う)
- Perhaps, we can talk about this later?(後で話してもいいかな)
- Let me get back to you later.(後で話をさせてください)
- I’d rather not answer/say.(ちょっと回答しかねます)
- This isn’t a good time/place to talk about it.(今/ここで、その話をするのは都合が悪いです)
- That’s not appropriate to discuss here.(ここでその話をするのは適切ではないです)
- I don’t feel comfortable talking about this here.(ここでその話をするのは適切だとは思えません)
否定疑問文の解き方
否定疑問文は、以下のような否定形で始まる疑問文です。
- Isn’t/wasn’t/Aren’t/weren’t~
- Don’t/doesn’t/didn’t~
- Haven’t/hasn’t~
否定疑問文の回答
否定疑問文へのyes/noの回答は、質問の仕方が肯定・否定形であるかは関係ありません。答えは、内容に肯定する場合は”yes”、否定する場合は”no”になります。
例えば、以下の例文への回答を考えてみます。
Are you going to the meeting?(ミーティングに行くの?)
Aren’t you going to the meeting?(ミーティングに行かないの?)
例文の質問に対する英語のyes/Noは、「ミーティングに行くか行かないか」が焦点(=答えの内容)です。ですので、肯定文で聞かれても否定文で聞かれても、以下の通りyes/noは変わりません。
ミーティングに行く場合は、Yes, I am.
ミーティングに行かない場合は、No, I’m not.
「否定疑問文”~じゃないよね”の答え方」(リンクはこちら)
付加疑問文
付加疑問文は、聞き手に確認や同意を求めるもので、一般的には肯定文には否定形、否定文には肯定形が使われます。また、“right?”を文末に付けることによって付加疑問文のようにすることもできます。
You’ve met my client, haven’t you?
You don’t like making a presentation, do you?
You can do this, right?
付加疑問文への回答
付加疑問文へのyes/noの回答は否定疑問文と同じく、質問の仕方が肯定・否定形であるかは関係ありません。答えは、内容に肯定する場合は”yes”、否定する場合は”no”になります。
問)You’ve met my client, haven’t you?(私の客に会ったことあるよね?)
答)Yes, I have.(会ったことがある)
答)No, I haven’t.(会ったことがない)
問)You don’t like making a public presentation, do you?(プレゼンするの好きじゃないよね?)
答)No, I don’t.(好きではない)
答)Yes, I do (love it)!(好きだ)
また、yes/noのどちらの代わりにも”Right!”(その通りです)と返答することが可能です。
選択疑問文
選択疑問文とは、2つ(以上)の中から、どちら(どれ)であるかをたずねる疑問文です。定型な文型だけではなく、例えば以下のように、様々な形でたずねることができます。
Can you give me a ride or should I wait here for a bus?(車で送ってくれないかな?それともここでバスを待った方がいいかな)
Would you like tea or coffee?(紅茶とコーヒーのどちらがいい?)
Do you want to return or stay here?(帰りたい?それともここで待つ?)
選択疑問文への回答
選択疑問文はどちら(どれ)かをたずねているので、yes/noでは答えられないと言う特徴があります。また、TOEICパート2では選択を問われているものの中から回答するのではなく、違う選択肢がいいという回答もあるので、設問で言っている単語が回答の中にあったからと言って、それが正解とは限りません。
例えば以下の例文に対する答えを考えてみます。
問)Would you like tea or coffee?(紅茶とコーヒーのどちらがいい?)
●選択肢の中から答える場合
答)Tea, please.(紅茶をお願いします)
答)Coffee, please.(コーヒーをお願いします)
●選択肢以外から答える場合
答)Actually, I’d like a bottle of mineral water, please.(えっと、ミネラルウォーターがいいのですが)
答)I’d rather have a bottle of mineral water.(ミネラルウォーターがいいのですが)
TOEICパート2の攻略法:「提案等」の場合
TOEICパート2の設問が提案・許可・依頼・申し出の場合は、答えとして定型表現が多く出題されるので、それを押さえておくことが必要です。ちなみに、同意すると言う答えの方が多くなります。
提案
提案の設問
「~しませんか」と言う提案の設問には、以下があります。
- Why don’t we/you~
- How about~
- What about~
- What do you say to~
- Let’s~
提案に対する答え
同意するとき | 断る時 |
That’d be great. That’d be a great/good idea. (That) sounds like a good plan. |
Thank you, but… I’d like/love to, but… |
許可
許可の設問
「~していいですか」と言う許可の設問には、以下があります。
- Do you mind / would you mind~
- May I / Can I~
- Is it okay for me to~
許可に対する答え
- Do you mind / would you mind~に対する答え
許可するとき | 断る時 |
(No,) not at all. I don’t mind at all. Absolutely not. Sure. No problem. Go ahead. |
Actually, I do. (Yes,) I do actually. I’m sorry, but… Unfortunately, … |
- Do you mind以外の許可をたずねる質問に対する答え
許可するとき | 断る時 |
Of course (, you can). Absolutely. Sure. No problem. Go ahead. |
No, please don’t. I’m sorry, but… Unfortunately, … |
依頼
依頼の設問
「~してくれませんか」と言う依頼の設問には、以下があります。
- Could you / would you~
- Can you~
- I was wondering if you could~
- Please~
依頼に対する答え
同意するとき | 断る時 |
Sure, no problem. All right. Of course. I’d be glad / happy / pleased / delighted to. |
I’m sorry, but… Unfortunately, … |
申し出
申し出の設問
「~しましょうか」と言う申し出の設問には、以下があります。
- Would you like me to~
- Is there anything I can do to~
- Shall I / Should I~
申し出に対する答え
頼むとき | 断る時 |
Sure, thank you. I’d appreciate it. Would you? |
No, but thank you anyway. No, that’s OK, thanks. Thanks, but it’s not necessary. That’s OK, I can do it myself. |
TOEICパート2の攻略法:「事実の陳述」の場合
TOEICパート2では、設問が質問や提案など相手に聞きたいことを聞く形式ではなく、平叙文で話し手があることについて述べる(事実の陳述)形式の設問が1割程度あります。正答が応答として不自然な感じがするものもあり、比較的難しい設問です。
回答として以下のように、平叙文に平叙文で答えるものと、平叙文に質問で答えるものの両方があります。
設問)I’m thinking about exercising every morning.(毎朝運動をしようと思っている)
答え)I can recommend a trainer for you, if you want.(もしよければトレーナーを紹介できるよ)
設問)ABC Company is hosting a conference next week.(ABC社が来週にカンファレンスを開催する)
答え)Do we have to register to attend? (参加するには登録しないといけないのかな)
「事実の陳述」の解き方
普段の会話でも、話し手があることについて話していることに対する応答に決まったパターンがないのと同様に、このタイプの設問にも決まった正解の選択肢のパターンはありません。しかも、正答が設問の応答として不自然な感じがするものもあります。
ですので、
- 設問をきちんと理解する
- 選択肢の中から、応答としてあり得ないものを消去法で除いていく
- 最後に残っている、一番ありえなくない応答(=一番あり得る応答)を選ぶ
のがベストの解き方です。
—–