EF SETとは
EF SETの概要
EF SET(EFスタンダード英語テスト)とは、EF Education First社(1965年設立・本社スイス)が提供する、非ネイティブスピーカー向けの英語力測定テストです。
以下の特徴があります。
- 無料
- インターネットで、いつでも何回でも受けられる(テストへのリンク:15分バージョン、50分バージョン)
- 一般的な英語スキルを評価する
- 初心者から熟練まで、すべてのレベルの英語学習者向け
- 設問の難易度が回答の出来具合によって変わる
- CEFR(欧州言語の運用能力を同一の基準で測る国際標準)に対応
EF SETとTOEIC L&Rの違い
EF SETとTOEIC L&Rの一番の違いは、
- EF SETは一般的な英語のスキルを測るもの
- TOEIC L&Rは仕事で使う英語のスキルを測るもの
と言う点で、EF SETの方が英語の幅広い能力を測ると言うところです。
EF SET | TOEIC L&R | |
料金 | 無料 | 有料 |
テストの目的 | 一般的な英語スキル | 仕事で使う英語スキル |
レベル | 初心者から熟練まで | 熟練したレベルまでは測らない |
テストの方法 | オンライン | マークシート※ |
テストの形式 |
リスニングとリーディング | リスニングとリーディング |
テストの内容 | 受験者の出来により変わる | 全員同じ |
テスト時間 |
15分または50分 | 2時間 |
※オンライン受験も可
EF SETのスコア
1点刻みの100点満点(※)で、TOEICでは測れない、聞いたことや読んだものをすべて容易に理解できる「英語が堪能」と言うレベルまで図ることができます。
※リーディングセクション100点とリスニングセクション100点の平均点が全体のスコア
EF SETとTOEICのスコア換算
TOEIC/CEFRと比較すると、以下になります。
EF SETの難易度
EF SETは受験者のレベルによって表示される問題が変わるため、簡単すぎる、または難しすぎると言うことはありません。
EF SETのテスト内容
テスト内容
15分のテスト
リーディングとリスニングに分かれます。画面の上右端に、残り時間が表示されます。
リーディングセクション
- 制限時間7分30秒(各設問ごとの制限時間はない)
- 設問は10問
- 短い文章を読んで、空欄に入れられる適切な語を選ぶ短文穴埋め問題
- 一度次の設問に進むと、前には戻れない
リスニングセクション
- 制限時間7分30秒(各設問ごとの制限時間はない)
- 10問
- アメリカ人、イギリス人、オーストラリア人が読んだ文章に対する設問に答える
- 音声の長さは10秒程度で、2回聞くことができる
- 一度次の設問に進むと、前には戻れない
50分のテスト
リーディングとリスニングに分かれます。画面の上右端に、残り時間が表示されます。
リーディングセクション
- 制限時間25分(各設問ごとの制限時間はない)
- 大問6つ程度、設問は50問程度(受験者のスキルにより上下)
- 記事や文献が表示され、それに関する設問に解答(設問は問題と同時に表示)
- 1問目の難易度は中級程度のもの
- 一度次の設問に進むと、前には戻れない
リスニングセクション
- 制限時間25分(各設問ごとの制限時間はない)
- 50問程度(受験者のスキルにより上下)
- アメリカ人、イギリス人、オーストラリア人が読んだ文章に対する設問に答える
- 音声の長さは20秒間~5分間で、2回聞くことができる
- 一度次の設問に進むと、前には戻れない
「EF SETのテスト内容:レベル別具体例」(リンクはこちら)
テスト体験
15分のテストを体験してみました。受験する人のレベルによって設問が変わるため、どんなテスト内容だったかは一概には言えないのですが、私の場合は以下の感じでした。
リーディングセクション
- 設問は長くても2センテンスの短い文章(最長20語程度)
- 文法的に正しいものを選ぶのではなく、文章の意味として適切なものを選ぶ問題
- 設問は一般的な話題で、専門的知識が必要なものではない
- SATやGREよりは語彙レベルは簡単なイメージ
- TOEICよりは語彙の範囲が相当広い(以下のセクションを参照)
リスニングセクション
- 設問は10秒程度で短い
- 話すスピードがTOEICより速く普通の会話と同じ程度なので、TOEICより聞き取りにくい
- 設問は一般的な話題で、日常で話されている英語を理解できるかを問われている
テスト結果
テストのスコアは以下でした。100点はやはり難しかった…。
EF SETの単語レベル
単語レベル
ケンブリッジ大学出版による各CEFRレベルごとの語彙力と、EF SETおよびTOEICのスコアを比較したものは以下になります。
英語ネイティブの語彙数は2万~3万と言われているので、EF SETで満点を取るには、ネイティブの半分から8割程度の単語を知っている必要があります。
CEFR | 語彙数※ | EF SET スコア |
TOEIC スコア |
1-10 | – | ||
A1:初心者 | 800 | 11-30 | 120-220 |
A2:初級 | 2,400 | 31-40 | 225-545 |
B1:中級 | 5,300 | 41-50 | 550-780 |
B2:中上級 | 9,500 | 51-60 | 785-940 |
C1:上級 | 11,900 | 61-70 | 945-990 |
C2:熟練 | 15,700 | 71-100 | – |
※概数
参考:English Vocabulary Profile Online (British English), Cambridge University Press(リンクはこちら)
単語の種類
上記ケンブリッジ大学出版によるCEFR対策の語彙リストをジャンル分けすると、以下のようになります。TOEICでカバーされるジャンルを太字にしてみると、TOEICの語彙のジャンルはかなり限定されたものになっているのがわかります。
これからわかるように、一般的な英語力を測るEF SETでは、広範囲の語彙をカバーする必要があります。
- 動物
- 芸術とメディア
- 犯罪
- コミュニケーション
- ものの描写
- 教育
- 食べ物と飲み物
- 家とビル
- お金
- 自然
- 人
- 政治
- 人間関係
- 買い物
- スポーツ
- 技術
- 旅行
- 仕事
(太字はTOEICでカバーされるジャンル)
「ビジネスで英語を使うために学ぶべき単語数」(リンクはこちら)
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「EF SET対策:おすすめの勉強法」(リンクはこちら)
「EF SETのテスト内容:レベル別具体例」(リンクはこちら)
「ビジネスで英語を使うために学ぶべき単語数」(リンクはこちら)
「使える単語の学習法」(リンクはこちら)
「英語多読と多聴 英語力アップにはどっちがいい?」(リンクはこちら)
「ビジネス英語と日常英語:どこが違うの?」(リンクはこちら)
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参考サイト
English Vocabulary Profile Online (British English), Cambridge University Press(リンクはこちら)
EF(リンクはこちら)
EF SET(リンクはこちら)